“コロナ後”に焼き肉店が過去最高の売り上げ 中国で奮闘した日本人社長、汗と涙の全記録:アフターコロナ 仕事はこう変わる(1/7 ページ)
中国では営業を再開する飲食店が増えてきた。深セン市などで複数の焼き肉店を展開する日本人経営者は倒産を覚悟していた。しかし、再開後、過去最高の売り上げを記録するほどまでに復活した。
アフターコロナ 仕事はこう変わる:
新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、業務の進め方を見直す企業が増えている。営業、在宅勤務、出張の是非、新たなITツール活用――先進的な取り組みや試行錯誤をしている企業の事例から、仕事のミライを考えていく。
飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント代表の三ツ井創太郎です。日本では一部地域で緊急事態宣言の解除が始まりましたが、アフターコロナの中で、飲食店経営はどうなるでしょうか。
今回、既にロックダウンを解除している中で営業を再開し、過去最高の売り上げを達成した中国の焼き肉店を取材しました。新型コロナウイルスによる店内飲食営業停止から営業再開までの経緯、実施した施策、売り上げの回復状況等を時系列を追って解説していきます。
地域によっては緊急事態宣言が解除され、少しだけ希望の光が見えたという経営者もいると思いますが、それでも多くの方が大きな不安の中で日々戦い続けています。今回はそんな飲食店経営者の方に少しでも参考になればという願いから本記事を執筆しました。
中国で9店舗を展開する日本人社長
中国4大都市の一つ、深セン市は中国でも屈指の金融・IT産業の集積地であり、「アジアのシリコンバレー」とも呼ばれています。総人口は約1300万人であり、東京都の総人口1390万人と比較すると、かなりの大都市だと分かります。
深センで「大阪焼肉ホルモン バカ一代」という焼き肉店を複数展開している福庭大資(ふくばだいすけ)社長に取材をさせて頂きました。福庭社長の会社は数年前から弊社がご支援をさせて頂いているのですが、「日本の飲食店経営者に少しでも役に立つのであれば」と大変な状況にもかかわらず快くご協力を頂きました。この場を借りて感謝の言葉を申し上げます。
福庭社長は2011年に中国・上海でたこ焼き店を開業。15年には深センで日式焼き肉店をオープンし、繁盛させました。中国における日式焼肉とは、薄切りの牛肉をもみダレで味付けし、お客さんが自ら肉を焼き、漬けダレで食べる「日本式の焼肉店」のことを指します。
自慢の味と日本ならではの「おもてなし」の精神を盛り込んだ接客スタイルが評判を呼び、深セン市や広州市などに9店舗を展開するまでになりました。各店舗は根強い地元の常連客に支えられ、これからさらなる事業拡大を図っていこうとしていた矢先に、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めました。
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