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滝沢秀明ジャニーズ事務所副社長 10年前にYouTubeに目を付けていたビジネスセンスと先見性に迫る知られざる「唯一無二の才覚」(2/5 ページ)

新型コロナウイルスでライブや演劇は軒並み中止になる中、ジャニーズ事務所は防護服を医療従事者に寄付したり、チャリティーソングを制作したりすると発表。単に利益を求める営利企業であるわけではなく、社会貢献への意識が強い組織であることをあらためて印象づけた。社会貢献活動のプロデューサーを務めるのが同事務所の滝沢秀明副社長だ。滝沢秀明は実は10年前にYouTubeに目を付けるなど“ビジネス的な先見性”を持つ。“ジャニーズを具体例としたビジネス書”を執筆した筆者が解説する。

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“ネット嫌い”のジャニーズの中で10年前に始めた “早すぎた事業”

 まずは、滝沢秀明の先見性について。ジャニーズ事務所はネットに厳しい――。特にジャニーズのファンではない、という人も、その不文律のようなものは、なんとなく知っているかもしれない。

 出演ドラマのサイトはもちろん、雑誌の表紙を飾っていても、Web上にアップされるときには灰色に塗られたタレントたちの顔……。出演映画の記者会見でも、登壇者全員の集合写真が撮影されたあとに、ネット用にジャニーズタレント抜きの構図で再撮影がおこなわれることもあったほどだ。

 ジャニーズタレントはブロマイドもよく売れるので、肖像権を厳格に管理することは、タレントビジネスをおこなう事務所としては正しい方向性ではあるものの、近年では「時代の流れと反している」との声もあった。

 軟化したのは18年。デビュー前のジャニーズJr.のグループがYouTubeチャンネルを開設し、デビューしたタレントたちの顔写真もネット上で使用されるようになった。

 また、翌年19年には嵐のSNSアカウントの開設や音楽配信サービスへの楽曲解禁も話題になった。この3月には度重なる公演の延期・中止を受けて、初となるYouTube上のライブ映像配信もおこなった。

 しかし、それもこの2年の動き。時をさかのぼること10年前の10年、当時のジャニーズ事務所全体の方針とはそぐわない方向性でありながらも、ジャニーズのネット解禁をいち早く実行していた人物がいた。

 それが、滝沢秀明なのである。

 10年に始まった「滝CHANnel」は、滝沢秀明プロデュースの、ネット上でジャニーズ Jr.の出演動画を見られるサービス。当時まだCDデビューしていなかったKis-My-Ft2やA.B.C-Zなどのそこでしか見られない企画の動画を見ることができた。有料会員制ではあったものの、8年後の18年に開始され、ジャニーズJr.の人気を再燃させることになるYouTubeチャンネルの先駆けといってもいいかもしれない。

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2019年には嵐のSNSアカウントの開設や音楽配信サービスへの楽曲解禁も話題になった(写真提供:ロイター)

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