“正しい手洗い”を判定するAI 大日本印刷が工場や店舗向けに開発:9月から提供開始
大日本印刷は、正しい手洗いができているかをAIで判定する「手洗いAIサービス」を開発した。画像解析技術を活用する。感染予防対策として、工場や店舗、施設などを対象にサービスを提供する。
大日本印刷は7月21日、正しい手洗いができているかをAIで判定する「手洗いAIサービス」を開発したと発表した。画像解析技術によって手洗い状況を判断し、正しい手順を指導する。新型コロナウイルスの感染予防対策として、工場や店舗、施設などを対象に、9月からサービス提供を開始する。
手洗いAIサービスは、食品工場の衛生管理支援などにも使われる「DNPセキュア監視サービス」を生かして開発。カメラで撮影した映像データをAIで解析する技術を活用した。
このサービスでは、洗面台に設置したカメラで手洗いの様子を撮影。厚生労働省が提唱する「正しい手洗い」の工程のうち、実施されたものやされなかったもの、経過時間などをリアルタイムで確認。解析結果を洗面台に設置したモニターに表示する。その上で、正しい手順を視覚的に表示して誘導する。
従業員が一律に正しい手洗い方法を習得できるほか、正しい順番で手を洗うことで、比較的短い時間でも一定の手洗い効果が得られるという。また、判定結果のログが蓄積されるため、手洗い実施率などのデータとして活用することもできる。
導入環境に応じて「検査モード」と「教育モード」を選択することが可能。また、それぞれの工場などで独自の手洗いマニュアルがある場合、アプリの設定によって、工程の並べ替えや作業時間の変更もできる。
提供参考価格は、システム一式で50万円から。衛生管理の各種基準を満たす必要がある食品工場のほか、医療・福祉施設、学校などの公共施設、小売店や飲食店などを中心に、サービスを提供していく。
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