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東京の一等地にしか興味がなかった私が、ワーケーションを始める理由人材教育のプロが語る(2/2 ページ)

2020年6月、南紀白浜にワーケーション用の物件を構えることを決めた筆者。それまで「身の丈に合わない」といわれても「一流のオフィス」に投資してきたのに、なぜ、方向転換したのか。

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 ワーケーションというのは「ワーク」(仕事)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた造語です。休暇中に働くというニュアンスで使われることが多いですが、私は今後仕事とプライベートの境界線はどんどん曖昧になっていくと考えています。そうなるとワーケーションそのものが生き方になるのではないかと思えるのです。

 仕事とプライベートのメリハリがなくなることに拒否反応を示す方もいらっしゃるかもしれません。確かにいずれの意味でも、ワーケーションというのはここ数年いわれてきた「ワークライフバランス」と矛盾する考え方でもあります。しかし、テレワークが普及すると、良くも悪くも仕事とプライベートの切り分けができなくなります。2つをきっちり分けて天びんにかけるというような考え方から、ブランコのようにあっちとこっちを行ったり来たりするような考え方に変わっていくのではないでしょうか。

 そもそも(今の時代、あまり大きな声では言えませんが)当社に限らず、仕事でバリバリと結果を出している人は、仕事とプライベートの線引きがほとんどありません。休みもほとんどとらず、自分で適度なリフレッシュをして心と体の管理をしながら、毎日仕事をしています。24時間いつ連絡しても即対応するけれども、平日の昼間(いわゆる就業時間中)でも、時間が空けば美容室に行ったり、ちょっと昼寝をしたり……というようなスタイルで働いている人も少なくありません。むしろプロといわれる人たちの中には、時間や場所という枠で決まった働き方をしている人はほとんどいません。

 それであれば、自分の心が安らぐ場所で、いつでも好きな時にオンとオフが切り替えられるような働き方ができるほうが良い結果が出せるのではないかと思い、新たな拠点を作ってみようと考えたのです。経営トップである私自身が新たな働き方に挑戦することで、この先の新たな展開が開けてくるという構想もあります。

 社員にもワーケーションを導入しようと考えれば、働いた時間で評価するという考え方は捨てなくてはなりませんし、完全にプロセス評価から結果評価に移行することになります。プロの世界は結果が全て。仕事をしているフリは通用しません。いかに結果に執着し、責任を持つかです。他にもまだ見えていない課題がきっとあることでしょう。しかし私は「仕事が生きがいだ」といえる人にとっては、ワーケーションは最適な働き方なのではないかと考えています。

 リノベーション物件が完成した暁には、私のワーケーション体験記をどこかで披露できれば幸いです。

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