3年で売上2倍に! ミズノのワークビジネスが、伸びている理由:水曜インタビュー劇場(現場公演)(6/6 ページ)
ミズノの「ワークビジネス」が伸びている。売り上げを見ると、直近3年間で2倍の規模に。ミズノと言えば「スポーツメーカー」のイメージが強いのに、なぜこの分野にチカラを入れているのか。担当者に話を聞いた。
「ミズノ基準」をつくる
土肥: ワーク事業は初めてのことなので、対応しなければいけないことがたくさんあるはず。課題と感じていることは、何でしょうか?
石田: 当社の場合、スポーツ用品であれば「基準」があるんです。靴であれば、太陽の光にあてて変色するのかしないのか、靴底の減り具合はどうなのかなど。さまざまな項目があるのですが、ワークの商品にはまだありません。スポーツ用品には不要な機能でも、ワークには必要なものがある。例えば、耐久性。ワークシューズを履いて早く走る必要はありませんが、耐久性は必要。また、安全性もなければいけない。
また、スポーツウエアは自宅で洗濯することが多いと思うのですが、企業の制服は持ち帰ることができないケースがあります。例えば、警備関係は基本的にダメ。それはそうですよね。プライベートで制服を着用していると、悪用されるかもしれません。というわけで企業がクリーニングに出すわけですが、そのときに工業用の洗剤を使って洗濯するケースが多い。となると、特殊な洗剤に対応した基準もつくっていかなければいけません。
土肥: 基準の策定には、時間がかかりそうですね。すぐに設定できそうな項目もあれば、時間が経たなければよく分からないこともあるので。最後に、21年度の売上目標として、100億円を掲げていますよね。手ごたえは?
石田: 現場に足を運んで、生の声を聞く。そして、それを生かした形の商品をつくっていきたいですね。結果は、それからということで。
(終わり)
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