H.I.S.の今期、最終赤字318億円に転落へ 「レジャー需要回復は限定的」:ハウステンボスは入場者4割減
エイチ・アイ・エスが2020年10月期(19年11月〜20年10月)連結業績予想を発表。最終損益が318億円の赤字に転落する見通し。
エイチ・アイ・エスは9月25日、未定としていた2020年10月期(19年11月〜20年10月)連結業績予想を発表し、最終損益が318億円の赤字(前期は122億円の黒字)になりそうだと明らかにした。売上高は4240億円(前期比47.6%減)、営業損益は367億円の赤字(前期は175億円の黒字)に転落する見通し。新型コロナウイルスの影響が続く中、「レジャー需要の回復は限定的」という見方を示した。
同日、発表した20年10月期第3四半期(19年11月〜20年7月)連結業績は、売上高が4010億円(前年同期比30.1%減)、営業損益が167億円の赤字(前年同期は113億円の黒字)、純損益が169億円の赤字(同64億円の黒字)だった。助成金収入48億円を計上した一方、施設の臨時休業などで43億円の特別損失も計上した。
主力の旅行事業は、売上高が3459億円(同32.5%減)、営業損益が119億円の赤字(同37億円の黒字)。海外旅行の需要減を受け、経営資源を国内旅行事業にシフト。7月のGoToトラベルキャンペーン概要発表時には一時需要回復の傾向が見られたが、その後の東京都除外、感染者増の影響で「回復は限定的」としている。
ハウステンボスグループの事業は、売上高が106億円(同47.1%減)、営業損益が20億円の赤字(同37億円の黒字)だった。テーマパーク「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)では、外出自粛要請に伴う休園などで、入場者数は114万人(同40.1%減)と大幅に落ち込んだ。
ホテル事業は、売上高が74億円(同20.8%減)、営業損益が21億円の赤字(同5700万円の黒字)。固定費や人件費の見直しに加え、「変なホテル」での「感染リスク軽減プラン」の提供や、各ホテルで感染防止策を講じたが、宿泊者数の減少を止められなかった。
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