マネーフォワード 中堅企業向け統合基幹業務システム開始 DX化の流れに対応:マネーフォワード クラウドERP
マネーフォワードは中堅企業向けのERP市場に参入する。2021年中に「債務支払」「債権請求」「固定資産」「人事管理」の4つのサービスも開始する。DX化推進の流れを受け、需要を取り込みたい考え。
マネーフォワード(東京都港区)は10月12日、「マネーフォワード クラウドERP」を開始すると発表。中堅企業向けのERP(統合基幹業務システム)市場に参入する。あわせて、2021年中に「債務支払」「債権請求」「固定資産」「人事管理」の4つのサービスも開始する。DX(デジタルトランスフォーメーション)化推進の流れを受け、需要を取り込みたい考えだ。
同社がこれまで提供してきた会計・財務系サービスや、人事・労務系のサービスに加え、2021年までに「クラウド債務支払」「クラウド債権請求」「クラウド固定資産」「クラウド人事管理」の新たなサービスを開始する。「マネーフォワード クラウドERP」としてそれぞれのデータを連携し、バックオフィス業務の生産性向上を図るとしている。
上場準備企業や、従業員数100〜1000人の中堅企業の利用を想定する。これらの企業の多くが会社のPCやサーバにインストールして利用する「オンプレミス型ERP」を導入しているという。しかし、オンプレミス型は導入コストが高く、稼働まで約半年ほどの時間が必要な上、社外からのアクセスができず、数年ごとに有償のバージョンアップが必要など、課題があった。
これに対し、マネーフォワード クラウドERPは、プランによって異なるが、一部のサービスから開始できることから約2カ月程度で導入できる。また、コストもオンプレミス型の半額程度に抑えることができ、自動でバージョンアップされるほか、インターネット環境があれば社外からのアクセスも可能。マネーフォワード クラウドの各種サービスや、同社のグループ会社が提供するサービスを組み合わせることで、統合業務ソリューションとして利用することができるとしている。
中堅企業向けのサービス開発を進める理由について、マネーフォワード取締役執行役員の竹田正信氏は、テレワークの加速や政府によるDX(デジタルトランスフォーメーション)化の推進があると説明。
日本能率協会が行った調査では、5割を超える中堅企業が「DX化の推進や検討を進めている」と回答。あらゆる業界でDX化が進み、今後さらに働き方やライフスタイルの変化が進むことが予想される。同社は、グループ全体のサービスを活用し、他社との差別化を図る考えだ。
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