だから、多くのアパレルは苦戦することに:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)
名門ブランド「レナウン」の消滅が決まった。このほかにも多くのアパレルが苦戦しているが、なぜこのような事態に陥ったのか。店舗数の多さが関係しているようで……。
名門ブランド、レナウンが消滅することが決まった。業績が低迷していたところ新型コロナがトドメを刺した形で、再建に向けてスポンサー探しをしていたが、結局どこも手を差し伸べることがなく、破産手続きに移行しているという。
ただ、苦しい立場に追い込まれているのはレナウンだけではない。専門家の中には、長引くコロナ禍でかなりピンチのアパレルも多く、これから倒産ラッシュが本格化するのではという見立てをする方もいらっしゃるのだ。
実際、そんな未曾有(みぞう)のアパレル危機を生き残るために、これまではやってこなかった新たな取り組みに動き出しているメーカーも増えている。
例えば、一昨日の「毎日新聞」(11月1日)では、売れ残りの服を定価の1割程度で買い取る業者が大忙しだと報じている。これまで有名ブランドの売れない服は「廃棄処分」されることも少なくなかった。市場に流出して叩き売りなどされると、ブランドイメージが地に落ちてファンが離れてしまうからだ。しかし、この業者では買い取った服のブランドタグをとって自社のタグに付け替えてから安売りをするということから、「引き取り量は例年の倍以上」となるほど人気なのだという。
アパレルは原価率を下げて大量生産し、余った在庫をセールでさばくというビジネスモデルなので、店舗でモノが売れなくなれば当然、このようなスキームに頼らざるを得なくなるのはよく分かる。ただ、一方で「大量につくってセールでさばく」というビジネスモデルの危うさはコロナのはるか前から指摘され、実際多くのアパレルが苦戦してきた。その場しのぎの延命策ではなく、もっと根本的な問題に手をつけるべきではないか。
それは「異常なほど店が多すぎる」問題だ。
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