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鬼滅ブームが観光ビジネスに一石 JR東やJR九州が鬼滅列車で続々コラボ現地取材を敢行(2/4 ページ)

『鬼滅』効果は企業活動にも多大な影響を及ぼしている。JR九州は「SL鬼滅の刃」を、熊本駅から博多駅の間を11月の土日祝日に走らせた。JR東日本でも『鬼滅の刃』とコラボしたSLを走らせている。

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JR東日本でも指定席券が売り切れ

 JR東日本でも『鬼滅の刃』とコラボしたSLを走らせている。もともと高崎支社管内で「SLぐんま みなかみ」や「SLぐんま よこかわ」として運行されていた昭和期の「国鉄D51形蒸気機関車」を流用しており、12月末までの土日などに高崎駅と横川駅の間を走っている。こちらも指定席券がすぐに売り切れる人気ぶりだ。

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JR東日本「鬼滅の刃×SLぐんま〜無限列車大作戦〜」(JR東日本のWebサイトより)

 しかし、2カ所で同時期に同じ作品のコラボ列車が走ることは異例だ。JR九州の広報担当者は「『無限列車編』というタイトルにもひかれ、製作会社のアニプレックスと、一緒に九州を盛り上げられないかということで当社から企画し、実施した」と説明する。

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SL人吉「ハチロク」には大正11年製であることが記されている。動態保存されている日本最古の蒸気機関車だ

 さらに、JR九州の担当者はこう話す。

 「当社が保有するSLが大正時代のもので、作中に登場するものとも類似しているという見方も少なくありません。劇場版『鬼滅の刃』の世界観を現実に少しでも再現し、お客さまに体験していただきたいという考えで当社としても企画をさせていただいております」 

 JR九州からアニプレックスという版元にコラボを持ちかけ、見事に実現しビジネスとして大成功を収めた格好だ。「無限列車」というプレートを掲げて走る以上、製作側も作中の列車のモデルが「SL人吉」に使われている「ハチロク」だと半ば認めていると言っても過言ではないかもしれない。「原作忠実」というリアリティーがあるのが、JR九州の「SL鬼滅の刃」の強みだ。

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けん引される旧型客車には「SL人吉」と明記されている

 一方、JR東日本の場合は経緯がやや異なるようだ。高崎支社の広報担当者は、「イベント企画会社であるエムアップホールディングスや、その子会社であるクリエイティブプラスといった、キャラクターIPとのコラボの展開に長ける会社が、劇場版『鬼滅の刃』の公開を受けSLとコラボできる場所を探していたところ、当社に白羽の矢が立った」と経緯を説明する。版元に企画を持ちかけたJR九州に対し、イベント企画会社から受託される形で同様の企画が実現しているあたり、流れとしては対照的といえる。

 JR東日本高崎支社ではこれ以外にもJTBと協働したツアーを実施しており、「リゾートやまどり」と呼ばれる団体専用列車を使用したコラボプランも展開されている。

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乗客のファンがグッズを窓の外に置く様子も見られた

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