お客の「肘」を見ただけで、なぜ塚田農場の売上は伸びたのか:水曜インタビュー劇場(じーっと見る公演)(6/6 ページ)
店内にカメラを設置して、その映像をじーっと見る。スタッフなどの動きを分析して、生産性向上を支援している会社がある。「トリノ・ガーデン」だ。具体的にどんなことをしているのか。同社の社長に話を聞いたところ……。
ここにもお宝があった!
土肥: いやはや、どこにビジネスのヒントがころがっているのか、分からないですねえ。最後に一つ聞かせてください。例えば、「ウチの店の売り上げが伸び悩んでいる。ちょっと見てもらえない?」といったリクエストがあった場合、どのように対応するのでしょうか?
中谷: どのように分解するか――。課題を分析する際、ここがポイントになります。売り上げを伸ばしたいのであれば、「客数×客単価」といった公式が浮かびますよね。でも、その公式ではまだまだ抽象的すぎて、そこからさらに分解していかなければいけません。
例えば、商品の入れ忘れはないのか。じゃあ、なぜスタッフは商品を入れ忘れるのか。情報処理のプロセスに問題があるのではないか。商品を入れるという作業には情報のインプットとアウトプットが必要になりますが、そこに因果関係があるのかもしれません。それは外部環境なのか、それとも内部環境なのか。このほかにも何か問題はないのかといった具合に、どんどん掘り下げて分解していかなければいけません。結果、どういったことが分かってくるのか。その会社または組織が行わなければいけない「KPI」(重要業績指標)が浮き彫りになってきます。
土肥: お宝探しのような感じですね。「おお、この会社のお宝はここにあったのか」といったように。
中谷: 謎を解いていって「ここに、お宝があった!」で終わるのではなく、さまざまな手法を取り入れることで「ここにも、ここにも、お宝があった!」「ほかにもあるのではなか?」と財宝を探し続ける旅のようなものですね。
(おわり)
書籍&CDが出ました!
ITmedia ビジネスオンラインの連載をまとめた書籍『バカ売れ法則大全』(行列研究所/SBクリエイティブ)が発売されました。本連載「水曜インタビュー劇場」の人気記事をピックアップして、大幅に加筆。また弊誌では掲載していない記事もご紹介しています。また、本連載をまとめた『ササる戦略』(三才ブックス)も発売していますので、合わせてどうぞ。
さらに、水曜インタビュー劇場のMCを務める土肥義則のCDが発売されました。「全国経営者セミナー」での講演を収録していますので、ぜひビジネスのヒントに!
関連記事
- 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - スーツに見える作業着は、なぜ3倍ペースで売れているのか
スーツに見える作業着をご存じだろうか。2018年、水道工事を行っている会社が発売したところ、売れに売れているのだ。多くのアパレルが苦戦している中、なぜこの商品はヒットしているのか。グループ会社の社長に話を聞いたところ……。 - 小さくなったカセットコンロ「タフまるjr.」は、なぜ2倍ペースで売れているのか
岩谷産業のカセットコンロ「タフまるjr.」が売れている。8月に発売したところ、想定の2倍ペースで売れているわけだが、なぜ消費者にウケているのか。サイズは小さいのに……。 - 巷で“スーツ離れ”が起きているのに、なぜビジネスリュックは好調なのか
テレワークを実施する企業が増えたので、オフィスに足を運ぶ人が減った。となると、スーツを着ることが少なくなり、革靴を履かなくなり、カバンも不要になり……。などと想像してしまうが、ビジネスリュックは好調に売れているという。その背景に迫ってみたところ……。 - 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.