ぴあ、最終赤字65億円に転落へ コロナで市場消失「顧客心理が一段と冷え込んだ」:21年3月期予想
ぴあが2021年3月期通期の連結業績予想を発表。純損益が65億円の赤字(前期は1億2000万円の黒字)に転落する見通しだ。緊急事態宣言の再発出・延長により、イベント規制が厳しくなったことが影響。
チケット販売大手のぴあは2月12日、これまで未定としていた2021年3月期(20年4月〜21年3月)通期連結業績予想を発表した。売上高が720億円(前期比55.9%減)、営業損益が60億円の赤字(前期は11億円の黒字)、純損益は65億円の赤字(同1億2000万円の黒字)に転落する見通しだ。
第3四半期(20年10〜12月)に入り、売上高が回復傾向にあったが、緊急事態宣言の再発出・延長で、集客イベントの規制が再び厳しくなった。同社は「顧客心理の一段の冷え込みがうかがえる。遺憾ながら業績回復基調への足取りの停滞を余儀なくされている」という。
12日に発表した21年3月期第3四半期(20年4月〜12月)連結決算は、売上高が前年同期比62.1%減の485億円、営業損益が49億円の赤字(前年同期は6億4000万円の黒字)。純損益は50億円の赤字(同3億円の黒字)だった。
ぴあ傘下のぴあ総研が20年10月末に発表した試算によると、20年のライブ・エンタテインメント市場規模は1306億円。19年と比べると、約8割が消失した計算だ。20年9月以降、イベントの規制が段階的に緩和されてきたというが、年明けの緊急事態宣言により、厳しい状況が続く。
ぴあは「公益性を最優先し、自粛要請などを受諾せざるを得なかった、文化芸術・スポーツ・エンターテインメントの集客業界に関わる事業者は、個人事業主も含めて困窮を極めている。政府などによる、即効性かつ実効性を伴った大規模な支援策・救済策が強く求められている」と訴えている。
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