テレワーク率95%をキープ! “全員原則テレワーク企業”が導入した「Uber手当」「Zoom飲み会代」:円滑化の工夫(1/3 ページ)
テレワーク率95%をキープしている、アンダーワークス。テレワークを円滑に進めるために、ユニークな手当を支給している。どんな手当かというと……?
1月7日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、二度目の緊急事態宣言が発出された。政府は、東京都などで出勤者数を7割削減するよう要請しているが、テレワークの実施率は22%と、前回の宣言時と比べると10ポイントほど減少。テレワークを実施している企業でも、出勤者数の7割削減を達成できているところは30%程度にとどまっている(日本生産性本部、ペーパーロジック調べ)。
そのような中、テレワーク率95%をキープしている企業がある。テレワークを円滑に進めるために、どのような課題を解決したのか。アンダーワークスの田島学社長と、高橋諭エグゼクティブディレクターに話を聞いた。
「原則として業務はテレワークで」 社長が決断
アンダーワークスは、デジタルマーケティングを手掛ける企業。2006年に創業し、特に直近2年は社員数が順調に伸びているという。オフィスの拡大移転を考えていたが、コロナが直撃。移転を取りやめて、原則テレワークへと路線変更した。
「原則として業務はテレワークで」と、田島社長が決断を下したのは20年2月末。1回目の緊急事態宣言の前、文部科学省から全国一斉臨時休校の要請が出されたタイミングだった。
田島社長は当時、仕事の関係でサンフランシスコにいた。同氏は「業務のほとんどは、クラウドを使って行えるので、場所に関係なく仕事ができると考えた」と説明する。
テレワークへの移行に際して、多くの企業でネックになっている電話対応業務も、問題にはならなかった。というのも19年末から20年1月ごろに、「fondesk」(フォンデスク)という電話代行サービスを導入していたからだ。フォンデスクは、会社にかかってきた電話の要件を聞き、チャットやメールで通知するサービスを提供している。
アンダーワークスでは、Slackに受電内容を入れてもらうことで、必要があればどこからでも社員がかけ直せる体制を整えていた。つまり、必ずしもオフィスにいなくてもいいというわけだ。
とはいえ「原則テレワークで」と社長が命じても、すぐに全員が在宅勤務に切り替えられたわけではなかった。
高橋氏は「私もそうですが、ちらほらと出社している人がいた」と振り返る。自宅よりオフィスのほうが仕事に集中できたからだ。しかし、コロナの影響が濃くなり始めると、「家で仕事をすることに慣れはじめ、通勤時間がもったいないと感じるようになり、自分も、ほかの社員たちもテレワークへと切り替えるようになった」という。
「Uber手当」「Zoom飲み会手当」も支給
アンダーワークスの各社員は、自分のタスクを意識しており、見守る人がそばにいなくても自立して働けるという。業務の進め方だけでなく、文化自体がテレワークに踏み切りやすいものだったといえるだろう。
しかし現実には、常に出社しなくてもよい状態、在宅勤務となると課題が生じる。自宅の作業環境が整っていないことに加え、家族が自宅にいる状況での仕事のしづらさ、休校中の子どもたちの昼食の準備、それまで当たり前だったメンバー同士のコミュニケーションの取りづらさ──など、さまざまな課題がある。
そこで“全員原則テレワーク宣言”を出したときに、作業環境を整備する費用として充てられるように一時的な在宅準備手当を支給したり、その他ユニークな手当を支給したりした。どんな手当だろうか。
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