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大ブームから大凋落の“シェア自転車”伏兵が米上場〜日本進出のモバイク、ofoは消える浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(5/5 ページ)

数年前に日本に上陸した中国発のシェア自転車。中国の道路を短期間で埋め尽くしたが、崩れ落ちるのもあっという間で、日本からもいつの間にか撤退していた。4月下旬、当時は伏兵扱いだったハローバイク(哈囉出行)が、米ナスダックに上場申請し、話題になっている。そこで、中国シェア自転車の歴史と現状を紹介する。

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モバイクは消え、ofoは事実上の倒産

 ちなみに今のシェア自転車業界は、ハローバイクとDiDi傘下の青桔単車が首位争いをし、美団単車が追う構図となっている。美団単車=旧モバイクだ。モバイクは18年に出前アプリ業界首位の美団に救済され、20年には社名から「モバイク」が消えた。

 業界リーダーのofoはどうしているのか。大手の傘下に入り損ねた同社は19年に何度も倒産説が浮上し、ユーザーからはデポジットの返還を求められながらも何とか存続していた。19年から20年にかけては、シェア自転車企業からEC事業者への脱皮を図っていた。

 今も同社は存続しているが、SNSの公式アカウントやコールセンターは動いておらず、代表者も空白のままで、世間的には「倒産した」と見なされている。

 20代の起業家としてフォーブスのランキングにも掲載された創業者の戴威氏は、ofoが債務を返還していないことから、18年に裁判所から飛行機や列車の上級座席、高級ホテルの利用、不動産の購入などを制限され、今どこで何をしているのかは長らく報道がない。


北京大学発ベンチャーのofo(小黄車)は、黄色い自転車が目印(18年、筆者撮影)

筆者:浦上 早苗

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育などを行う。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。帰国して日本語教師と通訳案内士の資格も取得。
最新刊は、「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。twitter:sanadi37

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