副業の理由は2位以下の理由を大きく引き離し、「収入の不足を補うため」が1位――。バーチャルオフィスを運営するナレッジソサエティ(東京都千代田区)が5月中旬、20〜30代の会社員2401人を対象に副業の実態に関するアンケートを実施し判明した。
アンケート回答者のうち、副業をしている人は全体の24.2%を占めた。そのうち、副業の目的は「収入の不足を補うため」が57.6%と半数以上に及んだ。次いで「趣味と実益を兼ねて」(25.3%)、「スキルアップのため」(9.3%)、「起業のため」(6.4%)と続いた。自身のキャリア形成の一環として副業を行う割合は少なく、年収増が望めない経済状況のなか、やむを得ず副業に取り組むケースが多いことがうかがえる結果となった。
また、「副業をしていない」と答えた人に副業をしたいか聞いたところ、69.7%が「はい」と答えており、副業に意欲的な人が多いことが分かった。
その一方で、実際には副業できていない理由を尋ねたところ、33.2%が「会社が副業を許可してない」と回答。企業側の就業規則によって副業したくてもできない環境があるとした。そのほかにも、「副業の始め方がわからない」(26.4%)、「よい副業がみつからない」(26.1%)といった理由が挙がった。
政府は副業・兼業の解禁を奨励しているが、いまだ副業を禁止する企業も少なくなく、企業側の理解や制度整備が望まれている。調査を実施したナレッジソサエティは、「副業を認めること自体が就職希望者にとって一つの企業選定要因となると考えると、企業側もさらに副業に対する理解を深め、従業員の副業を認める方向にかじを切ったほうが、副業ニーズのある求職者に対してアピールすることができる」とコメントした。
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