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火災被害のルネサス工場、生産能力が100%回復:出荷回復は7月第3週
ルネサスエレクトロニクスは、火災が起きた那珂工場の生産能力が、火災前の水準まで回復したと発表。7月第3週ごろには、出荷の水準も元に戻るという。
半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスは6月25日、3月に火災が発生した那珂工場(茨城県ひたちなか市)の生産能力が、火災発生前と比べて100%の水準まで回復したと発表した。7月第3週ごろには、出荷の水準も元に戻るという。
火災は3月19日、那珂工場のN3棟(300mmライン)の一部工程で発生。約1カ月後の4月17日から生産を再開し、5月末には生産能力が88%の水準まで回復した。6月24日夜には、生産能力復帰に必要な装置全ての立ち上げが完了し、100%の生産水準に復帰した。
出荷水準の復帰は、7月第3週ごろになる見通しだが、製品ごとに「復帰時期はそれぞれ異なる」(同社)としている。
同社が4月28日に発表した2021年12月期第2四半期(21年1月〜6月)累計の連結業績予想は、売上高が4076億7800万円(前年同期比18.0%増)、営業利益は1006億円前後(営業利益率24.7%)。工場火災が営業利益に与える影響額として、約239億円の減益を見込んでいる。稼働損、在庫滅却費用、原状回復のための補修費用が生じるためという。
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