HIS、東武鉄道と「SL大樹」ツアー発売 “脱・飛行機中心”で需要創出:貸し切り
HISが東武鉄道と協業し、国内旅行商品のラインアップを拡充。6月26日から、人気観光列車「SL大樹」の貸し切りツアーなどの商品を販売する。
エイチ・アイ・エス(HIS)は、東武鉄道と協業し、国内旅行商品のラインアップを拡充する。6月26日から、人気観光列車「SL大樹」の貸し切りツアーなどの商品を販売。コロナ禍で苦境の旅行事業だが、飛行機やバス以外にも手を広げ、夏のレジャー、紅葉シーズンの需要を狙う。
江戸ワンダーランド日光江戸村と、東武鉄道「SL大樹」(貸し切り、日帰り)を組み合わせたツアーを用意する。出発日は8月17、19、23、27日。料金は大人が1万4000円、子どもが1万3000円。
日光東照宮の拝観券と、特急「スペーシア」の乗車券を組み合わせたツアーも提供する。出発日は7月12日〜9月26日(7月21日〜8月21日、9月18、19日を除く)。料金は大人・子どもともに6980円〜7780円。
いずれのツアーも、鉄道とその沿線に広がる観光資源を生かした内容だ。これまでHISは、主に飛行機やバスによる国内旅行を提供してきたが、「(鉄道を)単なる交通手段としてではなく、移動空間を楽しみ、旅の目的とする顧客も多くなった」(同社)といい、今回初めて鉄道会社と契約を締結した。
HISが6月11日に発表した2021年10月期第2四半期(20年11月〜21年4月)連結業績は、売上高が前年同期比80.4%減の676億円、営業損益が310億円の赤字(前年同期は14億円の赤字)、純損益が232億円の赤字(同34億円の赤字)。3度目の緊急事態宣言の発出、まん延防止等重点措置の要請などで、旅行事業は苦戦を強いられている。
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