「ウマ娘」絶好調で2度目の上方修正 サイバー藤田社長「グラフの角度が変わる伸び方」:21年9月期通期予想
サイバーエージェントは21年9月期の第3四半期決算報告会を実施した。ゲーム事業の主力タイトル「ウマ娘」が前四半期に続き好調だったことから通期連結業績予想を上方修正した。ウマ娘好調の背景には何があるのだろうか。
サイバーエージェントは7月28日、2021年9月期(20年10月〜21年9月)通期の連結業績予想を上方修正し、売上高が前回予想から500億円増の6500億円(前期比35.8%増)になる見通しだと発表した。上方修正は今期2度目。「ウマ娘 プリティーダービー」などゲーム事業が好調で収益を押し上げていることが背景にある。
営業利益は1000億円(前期338億円)、純利益は400億円(前期66億円)を見込む。
同社の業績を押し上げる「ウマ娘」は21年2月に提供を開始。約5カ月で900万ダウンロードを突破しており、ゲーム事業の大きな柱となっている。ゲーム事業の21年4〜6月の売上高は923億円で四半期では過去最高を叩き出した。
藤田晋社長は「ウマ娘をリリースしてから、本当に(グラフの)角度が変わる伸び方をしている」と話す。
同社のグループ会社Cygamesの近石愛作取締役は「ウマ娘」成功の要因としてクロスメディア展開を挙げた。実際に、アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season2」の販売枚数は6月末時点で17万枚を記録し、マンガ「ウマ娘 シンデレラグレイ」の累計発行部数は100万部を突破している。
その他「ファイナルファンタジーVII」シリーズ最新作のスマートフォン向けRPG「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」の全世界配信を22年に予定。TVアニメ「呪術廻戦」初のスマホゲームを発表するなど、今後もゲーム事業に力を入れていく方針を示した。
ゲーム事業だけでなく広告事業も好調だ。四半期の売り上げは818億円で過去最高を更新した。20年は新型コロナウイルスの影響を受け、広告需要が大幅に減少したが今年は需要が回復傾向にあることが分かる。
同社は21年度の目標として「ABEMAの規模拡大とマネタイズ強化」を掲げた。好調なゲーム事業で現在赤字のABEMA事業を支えていく。
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