超狭い住宅に申し込み殺到! モノを持たない「ミレニアル世代」と「Z世代」がマーケティングを変える理由:価値観と消費行動を分析(1/4 ページ)
マーケティングでは「ミレニアル世代」と「Z世代」の存在を無視できない。価値観・消費行動にどのような特徴があるのか。超狭い住宅に好んで住む理由を分析していみると……。
企業のマーケティング活動において、世代別動向と特性を把握しておくことは、全ての業種において必要です。現在、各世代の中で最も勢いがあり、マーケティングに大きな影響を与えているのが「ミレニアル世代」と「Z世代」です。彼らはデジタルネイティブ世代であり、それ以前の世代とは全く異なる価値観を持っています。
今回は、ミレニアル世代とZ世代の価値観変化をあらためて整理します。そして、価値観が如実に表れている日本の住環境に焦点を当て、消費環境の今を読み解きます。
消費トレンドの変化を約30年追い続けてきたムガマエ株式会社代表の経営コンサルタント、岩崎剛幸が分析していきます。
ミレニアル世代とジェネレーションZ世代とは
1981〜96年までに生まれた人口層をミレニアル世代(またはジェネレーションY)、97年以降に生まれた人口層をポストミレニアル世代(またはジェネレーションZ)と呼んでいます(本文では01年までと定義)。日本ではミレニアル世代を「ゆとり世代」と呼ぶこともありますが、ここでは米国の呼称に合わせます。
両世代は米国でも日本でも徐々に存在感を増しています。マーケティングだけでなく、政治や企業、社会に大きな変化をもたらす世代と見られています。
では、米国や日本では各世代と比較して、どのような特徴があるのでしょうか。
まずは、ジェトロ(日本貿易振興機構)が発表したレポート「ニューヨークだより」などから読み解いていきます。
米国においてこれまでの世代と圧倒的に異なるのはその人口ボリュームです。
ミレニアル世代は5600万人いて、米国労働力人口の35%を占めます。Z世代まで含めると40%と圧倒的な構成比です。日本では両世代合計で労働力人口の26%となっており、米国よりは見劣りします。しかし、今では社会の中心を占める世代として存在感を増しています。
両国においてそれまでの世代と最も違う点は、「デジタルネイティブ世代」であること。生まれながらにしてデジタル機器に触れ、日常的に利用しています。それまでの世代が「わざわざ覚えた」のに対して、この世代は遊びの延長で軽やかに使いこなしています。「DX」などと言わなくてもすでに分かっているのです。
ミレニアル世代以降にとって、世の中は常に大きく変化しており、社会課題と向き合わざるを得ない環境の中を過ごしてきました。また、モノからコトを重視する社会変化を目の当たりにしてきた世代です。物は充足しているので、現在は心の満足を得る時代だと実感しています。
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