食用油、大豆、小麦、肉、卵の「値上げ」が連鎖! 背景にある中華料理の“爆食い”と不作:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)
食用油、大豆、小麦、コーヒー、卵、肉などの値段が上がっている。食用油は今年に入って3度目の値上げとなっている。背景に何があるのか?
中国では経済が回復
食用油は今年既に3回も値上げをしていて、価格高騰の深刻さが増している。
日清オイリオグループは、家庭用・業務用・加工用を問わず、4月に1キロあたり20円以上、1斗缶あたり300円以上を値上げ。6月から1キロあたり30円以上、1斗缶あたり500円以上を再値上げした。それでも原料価格の高騰が止まらず、8月から1キロあたり50円以上、1斗缶あたり800円以上の再々値上げに踏み切っている。
昭和産業、J-オイルミルズも同様に3回値上げした。家庭のみならず、飲食店、弁当・総菜店にとっても欠かせない食用油だけに、広範囲に影響が出るのは必至だ。
植物油とその主要原料の1つである大豆が高騰している主因は何か。日清オイリオグループと農林水産省は共に、中国経済の新型コロナからの回復を挙げる。
日本貿易振興機構(JETRO)が、2020年11月11日に発表した「コロナ後における中国内陸部の最新動向」は、四川省の人口1600万人を超える省都・成都市における昨年秋の状況をレポートしている。そのレポートによると、大半の市民がマスクを着用していない。市民はマスクをポケットにしまって携帯するか、マスクのゴムを肘に通してぶら下げながら携帯する「肘マスク」が定着している。市内の大型商業施設、飲食店はほぼ通常営業となっている。中国全土に店舗展開する大手日系飲食店によると、昨年8月の成都店舗の売り上げは前年同月を超えた。名物の火鍋料理の人気店には、平日から大勢の客が行列をつくる日も多いという。
内陸部の成都がもう半年以上も前にここまで回復しているのだから、今では沿岸部においても同等くらいには回復、活性化している都市も多いのだ。
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