タピオカバブルが崩壊したのに、「ゴンチャ」の店舗は倍増 目指すは“お茶のスタバ”か?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/5 ページ)
タピオカバブルが崩壊した。コロナ禍でストリートフードが敬遠され、タピオカ店の閉店も相次いでいる。大手の「ゴンチャ」は、こんな状況でも店舗数を増やしている。
タピオカバブルを乗り越えて
同業他社で、店舗が激減せずに残っているチェーンとしては、クレープを販売する「パールレディ」、台湾カステラに注力している「ブルプル」、担々麺・魯肉飯・豆花といった台湾フードが充実している「春水堂」などがある。どれもタピオカ1本足ではなく、もう1つの売りを持っている。
ゴンチャのコーヒー、フルーツビネガー、甜品、ティーデザートはどれも決め手に欠ける。しかし、コロナ禍で海外旅行を自粛せざるを得ない今、台湾に行った気分に浸れるため、一定の導入効果は出ている。また、黒糖やほうじ茶、抹茶といった日本茶も加えて、メニューの幅を広げた効果もあったようだ。おかゆは失敗してしまったが、顧客が空間提案の目新しさに飽きてしまわないうちに、タピオカミルクティーに匹敵する大ヒットが放てるかどうか。
昨年3月から、ゴンチャはレジカウンターで学生証を提示した学生を対象に、学割サービスを行っている。 通常460円の「タピオカミルクティー(ブラックミルクティーのパールトッピング)」を330円で飲めるようにした。このお得感が顧客離れを防いでいる面もあるが、いつまでも続けられない。
ゴンチャが目標とする国内400店への道は険しいが、タピオカ依存からの脱却に挑む、角田新社長の手腕に期待したい。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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