企業の55.4%、業績悪化の可能性 「オミクロン株」感染拡大で:帝国データバンクが全国2万社に調査
帝国データバンクは、全国2万3679社に「オミクロン株に対する企業の見解について」アンケートを実施。オミクロン株による今後の業績への影響は、「マイナス」と答えた企業は55.4%となった。実際の企業の声を聞いた。
帝国データバンク(TDB)は、全国2万3679社を対象に「オミクロン株に対する企業の見解について」アンケート調査を行った。オミクロン株による今後の業績への影響について、「マイナスの影響がある」と答えた企業は55.4%と、半数以上の企業で今後の業績にマイナスの影響があると考えていることが分かった。
「ややマイナスの影響がある」と答えた企業は29.9%、「マイナスの影響がある」は25.5%だった。これに対し「ややプラスの影響がある」と「プラスの影響がある」の合計は2.1%で、「影響はない」の22.1%と合わせると、全体の24.2%は「悪影響がない」と答える結果になった。現時点で「分からない」と答えた割合も20.4%に上った。
企業からは、「再び経済や人の流れが滞るのではないかと非常に不安になる」(配管冷暖房装置等卸売、大阪府)、「外国人技能実習生の入国ができなくなり、生産力低下が顕著に出ている」(織物卸売、和歌山県)などの不安や懸念の声が聞かれた。
一方で、プラスの影響を見込む一部の企業からは、「免疫力を高めることについて注目が集まっている。乳酸菌市場にはプラスに働いている」(飲食料品卸売、茨城県)、「感染の再拡大となれば、これまでと同様に再び巣ごもり需要も見込まれる」(調味料製造、東京都)といった声もあった。
TDBはオミクロン株について「感染力や重症化の程度などまだまだ不透明な部分が多い」と指摘。「必要以上に警戒せず、正しく恐れ、経済活動を続けていくことも重要」との見方を示している。
調査は、全国2万3679社を対象に、インターネットで行った。期間は21年11月16〜30日、有効回答企業数は1万1504社(回答率48.6%)。
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