HIS澤田会長ら、減給3カ月の処分 「Go Toトラベル」不正受給問題、申請は約8億円:子会社社長は解任・降格
Go Toトラベルの不正受給問題で、HISは澤田秀雄会長(兼社長執行役員)を減給3カ月の処分にすると発表。観光庁によると、HIS子会社などは約8億円の給付を申請し、うち約3億円の給付金を受給していた。
エイチ・アイ・エス(HIS)の子会社が「Go Toトラベル」の補助金を不正に受給していた問題で、同社は12月28日、澤田秀雄会長(兼社長執行役員)ら取締役3人に対し、減給3カ月の処分を決めたと発表した。
2022年1月から3カ月、澤田社長は75%減額、中森達也氏と織田正幸氏(取締役専務執行役員)は50%減額の処分にする。また、子会社のミキ・ツーリスト檀原徹典社長は解任、ジャパンホリデートラベルの呉莘康社長は、取締役に降格処分にする。
観光庁が28日に発表した調査結果によると、ミキ・ツーリスト、ジャパンホリデートラベルは、外部のホテル運営会社「JHAT」と合計約7億9900万円の給付を申請し、うち約3億1600万円の給付金を受給していた。地域共通クーポン券も、3社合計で約3億4200万円分の発行を受け、うち3億3100万円分が使われていた。
ミキ・ツーリストとJHATでは、本来4800泊分の宿泊がなされるべきだったが、実際には114泊分しか宿泊がなかった。ジャパンホリデートラベルとJHATでも、5万5053泊分という申請内容に対し、少なくとも9175泊分の宿泊が行われていなかったという。
観光庁は事実関係を精査の上、給付金と地域共通クーポンの不正使用分の返還を求める方針だ。今後開始予定のGo Toトラベルでは、3社の参加を停止する。
HISは28日、不正受給問題の調査を受け、発表を延期していた2021年10月期(20年11月〜21年10月)通期の連結業績を公表。主力の旅行事業、テーマパーク事業、ホテル事業が軒並み赤字で、売上高は前期比72.4%減の1185億円、営業赤字は640億円(前期は311億円の赤字)。最終赤字は500億円(前期は250億円の赤字)に落ち込んだ。
関連記事
- 「何度もトラブルを起こされました」 Go To再開も素直に喜べない? ホテル業界から聞こえる“リアルな現場の声”
コロナ禍と対峙しつつ大変な時期を経てきたホテルであるが、明るい話題もちらほら出てきている。ポジティブムードに包まれつつある中で、今回はいまこの時期ならではの印象的なホテルの現場スタッフ話などを紹介したい。 - 「振り回されたのはGoToに似ている」との声も 東京五輪はホテルに恩恵をもたらしたのか
五輪開催で当初は不足問題も浮上したホテル業界。それが新型コロナウイルス感染拡大で一転、一気にネガティブな空気が支配した。多くの競技が無観客開催となったが、五輪はホテルに恩恵をもたらしたのだろうか。 - “トリキの錬金術”や“無限くら寿司”で課題噴出 Go To Eatが飲食店事業者を救わない、これだけの理由
“トリキの錬金術”や“無限くら寿司”などで多くの課題が出ているGo To Eat。不公平なばらまきとの指摘も多い。オンライン飲食予約事業では予約サイト事業者は儲(もう)かる一方、地方に住む高齢の経営者などには使いづらい制度だ。問題点を探った。 - 【まとめ】2021年下半期〜22年春に値上げする商品・サービスは?
2021年が終わろうとしている。新型コロナウイルスで抑制されていた消費の反動で「リベンジ消費」が盛り上がりつつあるものの、外食やテーマパーク、食料品の値上げ発表が多く見られた。どのような商品が値上がりするのか? 2021年下半期〜22年春までに値上げする商品・サービスをまとめてみた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.