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「DXを進めた意識はなかった」日産レンタカーが、すごいアプリを作れたワケ:きっかけは?(4/4 ページ)
「日産レンタカー」が公式スマホアプリを開発。ユーザーがレンタカーを借りる際、さまざまな手続きをスマホ上で完結できるようにした。アプリの開発背景、苦労話を聞いた。
岡本: 最終的にはお客さまと車をつなげる、同期させることが重要で、そのためにはIoTに行かざるを得ないと思っています。例えば各車の状態把握をリアルタイムで行い、通信や予約を行うなど、車というフィジカルなものをデジタル化することで顧客体験の向上や配車の効率化が可能になるかもしれません。
小林: 今回のアプリで生まれた一番の価値は、顧客接点が格段に増えたことだと思います。今までは店頭手続きや返却時などの「点」で接していたのが、運転中やレンタカーと関係ない日常でもアプリを通してつながれます。例えばレンタカーの返却間際に、アプリを通してガソリンスタンドの位置情報を伝えるといったサービスもできますよね。
岡本: そうですね、顧客接点が増えたことは大きいと思います。一方で、お客さまの立場で考えると、レンタカーアプリがどこまで前に出るべきかを考えていく必要もあります。お客さまからすれば、レンタカーを使うのは24時間365日のうちの限られた時間ですよね。それならレンタカーアプリ自体の機能を豊富にするより、みなさんが日常的に使うアプリにレンタカー機能がひも付いた方が便利かもしれません。
小林: どこがユーザーにとって一番便利なポイントかということですよね。
岡本: はい、あくまでユーザーファーストな視点はブレないように考えていきたいです。その上で顧客体験を突き詰めながら、ベストな形を模索していきたいですね。
本記事から考える、DXを推進するためのポイント
- 1、DXは目的ではなく結果。顧客体験の向上など、ビジネスを良くするための手段である。
- 2、ソフトウェア開発は、短期改善で質を高めていく。ただし、中途半端に出してはいけない機能も見極める。
- 3、意思決定者がデジタルに親しむことで、ユーザーの感じる「違和感」を理解する。
- 4、アプリの価値は顧客接点が増えること。その接点をどう活用するかもユーザーファーストで考える。
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