テレビ番組の「1時間」は長すぎる? ネトフリやアマプラの年間ランキングから見えたもの:ちょうどいい時間(1/2 ページ)
2021年、定額制動画配信サービスで多く視聴されたコンテンツの上位はアニメが独占した。筆者は、ここにある共通項があると指摘する。商品やサービスを楽しむのに適切な時間とは?
2021年、定額制動画配信サービスのユーザー数や視聴頻度は引き続き伸びました。リーズナブルな会費で、多彩な作品がいつでも見放題という特徴に加え、コロナによる在宅時間の増加が背景にあります。そして、その視聴ランキングを分析すると“ヒットのポイント”が見えて来ました。キーワードは「時間」です。
上位をアニメが独占
エンタメ業界に向けたマーケティングサービスを提供するGEM Partners(東京都港区)は、「定額制動画配信サービス 視聴者数pt 2021年総括」を発表しました。
Amazonプライム・ビデオやNetflixなど19の定額制動画配信サービスにおける、視聴者数ポイント(コンテンツを見た人の多さ)を集計したものです。21年におけるコンテンツ別の年間総合ランキングの結果は、1位が『鬼滅の刃』、2位が『呪術廻戦』、3位が『東京リベンジャーズ』でした。なんと、1位から11位までをアニメが占めました。
1位の『鬼滅の刃』は、『週刊少年ジャンプ』とソニー・ミュージックエンタテインメントグループのアニプレックスが手を組んだ作品です。メジャー週刊漫画誌での連載→テレビアニメ化(テレビ局の系列を越えての全国展開)→映画化という流れを踏まえています。上位作品は皆、こうした“王道”の大型メディアミックス戦略(『東京リベンジャーズ』の映画は実写版)により大ヒット。その勢いと実績が、テレビオンエア時には視聴していなかったユーザーも巻き込み、定額制動画配信においても人気となって表れているといえます。
ここまでで紹介したのは、原作があって、それをもとにメディア毎にコンテンツ(マンガ:雑誌→アニメ:テレビといった流れ)を生み出し、その相乗効果でヒットさせていくという「メディアミックス」の手法を用いています。この手法は、コンテンツ以外のジャンルで応用するのは難しいです。また、大規模に展開していくのはかなりの費用が必要となります。
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