「心苦しいが……」天ぷら店がきょうから値上げ 沖縄そば店も覚悟:値上げの春
原材料の高騰などで4月1日から食品や生活用品などが値上げされる。沖縄県内では天ぷら店が「心苦しいが」と値上げに踏み切った。
原材料の高騰などで4月1日から食品や生活用品などが値上げされる。沖縄県内では天ぷら店が「心苦しいが」と値上げに踏み切り、手軽に食べられるイメージの沖縄そば店は価格の維持に苦慮。消費者も節約を迫られ、「値上げの春」が県民を直撃する。
沖縄市、うるま市で「上間沖縄天ぷら店」8店舗を運営する上間フードアンドライフ(沖縄市)は、1日から値上げに踏み切る。
天ぷら店に欠かせない油の仕入れ価格は毎月のように上がり、昨年5月に比べ1・8倍に。小麦粉や包装材、原油高騰の影響でガス料金も大幅に値上がりし、上間園子社長は「心苦しいが、決してもうけのためではない」と話す。
昨年12月から3カ月連続の値上げに続く対応で、今回は重箱やオードブル、折り詰めなど仕出しメニューが8%値上げ。5350円の重箱が5500円になる。
主力商品の天ぷらは昨年12月に1個90円、今年3月からは95円に値上げした。上間社長は「このままでは100円への値上げも考えないといけないかも。どれくらい客が離れるか心配だ」と話した。
輸入小麦の政府売り渡し価格は1日に約17%引き上げられ、小麦を使う沖縄そばも値上がりの危機を迎えている。那覇市久茂地の「琉球茶房すーる」の奥間久子店主は「製麺所から現時点で麺の値上げの話はきていないが、いずれあるだろう」と覚悟する。
「しょうゆや油など全ての原材料が高騰しており、ぎりぎりの状態。今の価格を維持するのに四苦八苦している」と明かす。「沖縄そばは手頃な価格のイメージだが実際は材料費がすごくかかる。光熱費や消毒液などコロナ対策の費用もかさむばかり」と嘆いた。
乳製品やティッシュペーパーなど食品、生活用品も値上げとなる。那覇市内のスーパーで買い物をしていた70代の女性は「孫が学童に持って行く弁当の品数を減らさないように、大人のおかずは1品少なくしようかな」と渋い表情。
ベビー用オムツもメーカーによっては値上がりに。浦添市の横森春美さん(34)は「うちが使っているメーカーは値上げしないが、これからどうなるか。生活用品全般が値上げするので家計への影響は大きい」と不安げに語った。
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