イーロン・マスク氏、米ツイッターに完全買収提案 総額5兆円規模か 「言論の自由が必要」
米スペースXとテスラのイーロン・マスクCEOは4月14日、米ツイッターに全株式取得を提案したと自身の公式Twitterアカウントで明らかにした。実現すれば、総額5兆円規模になるとみられる。
米スペースXとテスラのイーロン・マスクCEOは4月14日、米ツイッターに全株式取得を提案したと自身の公式Twitterアカウントで明らかにした。マスクCEOは同日までに9.1%のツイッター株を約3500億円で取得し、同社の筆頭株主となっていた。実現すれば、総額5兆円規模になるとみられる。マスクCEOは米証券取引委員会(SEC)に宛てた文書で「言論の自由は民主主義が機能するために社会的に必要なものだ」とコメントしている。
マスクCEOはこれまでに全株式の9.1%に相当する7311万5038株を取得し、2024年までの任期で取締役就任が有力視されていたものの、辞退していた。辞退理由を明らかにしていなかったため、その動向に注目が集まる中、米経済紙フォーブスは株式の保有割合を14.9%以下に抑えるとした条項が就任辞退に影響を与えたと指摘した上で「敵対的買収の可能性がある」と報道していた。
マスクCEOは文書の中で、ツイッターに1株54.2ドルで取得する案を提示している。単純計算で全株式は約8億株あるとみられるため、追加取得分で約4兆9000億円、取得済み株式の費用を加えると取得総額は総額5兆円超となる見通し。
文書でマスクCEOは「Twitterが世界中の自由な言論のプラットフォームになる可能性を信じるとともに、言論の自由は民主主義が機能するために社会に必要なものであると考え、投資した」とこれまでの株式取得の経緯を説明した。
だが、投資後に考えが変わったという。「この会社が今のままでは成長せず、社会的要請に応えることもできないと認識した」とマスクCEO。「ツイッターは非公開企業として生まれ変わる必要がある」(同)と強調した。
「私の申し出は最善で最後の申し出であり、もし受け入れられない場合は、株主としての立場を再考する必要があるだろう」(マスクCEO)
マスクCEOとツイッターを巡っては、SNS上での言論の自由に対して強い問題意識を持っていたことが、過去のツイートから明らかになっていた。
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