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評価額10億円! 高専生が考えたディープラーニング活用事業の完成度(3/3 ページ)
企業の間で活用が広がっているディープラーニングは、学生の研究対象としても大きな盛り上がりを見せている。「第3回全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト2022(DCON2022)」では、高専生の考えた事例に評価額10億円も。
高まるDCONの認知度
DCONの実行委員長である東京大学大学院工学系研究科の松尾豊教授は総評で「前回大会の優勝チームは企業評価額6億円だったので、それと比べて今回は大きく評価額が上がった。DCONはファンが多く、認知度もどんどん上がっている。来年以降も大きく成長させていきたい」と語った。
3位の佐世保工業高専を1人の審査員が高く評価したことに触れ、「ビジネスは平均点ではない。1社評価してくれるところがあればビジネスができる。グローバルな視点に基づいた研究であれば、そういった可能性は高まる」(松尾教授)とした。
松尾教授は政府の「新しい資本主義実現会議」に有識者構成員として参加している。松尾教授は「会議ではスタートアップをどう作るかが日本全体の課題として語られている。私は『高専が大事だ』と何回もお話している。高専生には、研究を是非大きな成功につなげてほしいと願っている」と話した。
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