ハンバーガー店が増えすぎている!? 激戦区「渋谷」「吉祥寺」で見た“淘汰”の兆し:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/6 ページ)
コロナ禍の影響で、ハンバーガー店への新規参入が相次いだ。競争が激化した結果、淘汰されるケースも。激戦区である渋谷と吉祥寺では何が起きているのか?
ハンバーガー店の競争激化により、倒産が増えているという。4月24日に、東京商工リサーチが報じた。2021年度におけるハンバーガー店の倒産(負債1000万円以上)は6件で、前年度の1件から急増。
同社は 「コロナ禍のなかでハンバーガー店は、テークアウトやデリバリーが好調だが、大手チェーン店から中小企業までハンバーガー店の出店が加速し、厳しい競争が始まっている」「コロナ禍が生んだブームの陰で、好調と不調の2極化が進む」「22年度はハンバーガー店の淘汰が加速する可能性が出てきた」としている。
例えば、東京郊外の吉祥寺では、22年4月30日に、プルドポーク(ほぐした豚肉)を売りにした名店「ファッツ・ザ・サンフランシスカン」が閉店してしまった。
同店は駅の北口側にあったが、南口側でも20年12月には、フレッシュネスによる大人のハンバーガー店を目指した意欲作「クラウンハウス」が5年間の営業を終えて閉店している。
吉祥寺には20店近くのハンバーガー店があるといわれる。大手の「マクドナルド」「モスバーガー」はもちろん、「フレッシュネスバーガー」「ウェンディーズ・ファーストキッチン」のような中堅チェーン、「ザ・サード・バーガー」のような自然派の次世代型・小チェーンが存在する。さらに、個性派のグルメバーガーでは昭和の懐かしいアーケードゲームを楽しめるようにした「ハイスコア バーガーケード」、オーダーメイドのホワイトバンズが特徴の「ウェイキー ウェイキー」などもあって、バラエティ豊かな店がしのぎを削っている。
まさにハンバーガー店が、厳しい競争に日々さらされている。
全国の店舗における開店・閉店情報を収集したサイト「開店閉店ドットコム」によれば、今年1月1日〜5月14日の4カ月半で、開店したハンバーガー店は78店、閉店したのは24店だった。昨年1年間では、開店183店、閉店53店。
現状は、開店が閉店を3倍以上とかなり上回っていて、ハンバーガーブームは続いているようだ。しかし、コロナ禍で好不調が分かれてきている現実がある。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - 290円ラーメンに250円定食 びっくりドンキー、幸楽苑、なか卯で進む「朝食革命」の正体
朝食に力を入れる外食チェーンや飲食店の動きが目立ってきた。ハンバーグ専門店「びっくりドンキー」、タピオカや台湾料理の専門店「春水堂」などが参入している。どのような戦略を打ち出しているのか。 - 「高級食パン」ブームは本当に終了したのか? “大量閉店”騒動が隠した本当の姿
「高級食パンのブームが去った」という報道が目立つ。SNSでは“大量閉店”の情報が飛び交う。最新の「高級食パン勢力図」から見えてきたものとは? - 「どさん子ラーメン」は今…… 急成長から衰退までの経緯と復活のシナリオに迫る
札幌みそラーメンの“伝道師”として急成長した「どさん子ラーメン」。かつては1000店以上を展開していたが、マネされるのも早かった。“衰退”したと思われている一方で、復活に向けた動きもある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.