「ふさわしくない」は的外れ 100円ショップやワークマンの「銀座」進出が歴史的必然なワケ:世界トップクラスの立地(4/4 ページ)
ダイソーのような100円ショップやワークマンが次々と銀座位に進出している。イメージアップのためと考えている人も多いかもしれない。筆者はビジネス上のメリットが他にもあると指摘する。
変化し続ける銀座
このように銀座は常に時代の空気を読み取ることができる、変幻自在な街です。同時に伝統を大切にして、本物を提供できる街。まさに銀座らしさとは、伝統と革新を併せ持つことなのです。ですから100円ショップやワークマンが銀座に出店することは、実は銀座の歴史上、必然の流れともいえるのです。
思えば三越銀座店1階にマクドナルド日本1号店がオープンした時も、「ハンバーガーを立ち食いする」という若者文化は批判されていました。しかし、銀座店の効果は大きく、マクドナルドは世界的なファストフード企業になっていきました。実は銀座という街は、新しい文化、創造的な取り組みに寛容な街でもあります。
銀座には「銀座憲章」というものがあるそうです。銀座通連合会が1984年に定めたものです。
こうしたまちづくりの考え方と歴史の中に息づいているものが「銀座フィルター」です。銀座フィルターとは、文書や決まり事ではなく、銀座らしさを表す不文律、紳士協定です。
TOKYO GINZA OFFICIALの公式サイトには「言葉や数値でルールを定めなくても、銀座らしくないものは、この目に見えないフィルターにかかって自然と消えて行く。銀座らしいものだけが生き残ってきた」と記されています。
こうしたことを繰り返して、銀座という街は生き残り、世界に知られる繁華街になったのです。
伝統を維持するだけでなく、常に革新を取り入れる。
それが銀座らしさであり、銀座の強さです。ワークマン、100円ショップの次にどんな革新的な業態が進出してくるか。街とはこうしたことの繰り返しで魅力が作られていくのです。
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