2015年7月27日以前の記事
検索
連載

1キロのプリンで分かる「業務スーパー」本当の強さ 比類なき成長続けられる理由とは数々のヒット商品(4/4 ページ)

業務スーパーを展開している神戸物産が急成長している。強さの秘密はどこにあるのか。筆者は「商品改革」が特に優れていると指摘する。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-
前のページへ |       

創業者の信念

 なぜこのように本質的かつ独自性のある展開を業務スーパーができるのか。

 その答えの一つに「壮大なる社会問題にチャレンジする創業者の信念」があるように感じます。

 神戸物産の創業者である沼田昭二氏は、16年に再生可能エネルギー事業を手掛ける新会社を設立。熊本で地熱発電所の建設を進めています。また、地熱発電に不可欠な掘削技術者が不足している現状を受けて、地熱に関する専門学校も立ち上げています。

 日本の食品自給率とエネルギー自給率の低さは未来における重要課題です。誰かがやらなくては、深刻な未来が待ち受けているのです。

 エネルギー産業はまだまだ技術開発を要する部分が多く、多額の投資が必要です。従って、まだ様子見をしている企業が多いのも事実です。しかし、沼田氏はこの社会問題を解決する役割と真正面から向き合っているのです。

 誰かが取らなくてはいけないリスクを自らが取って未来を良い方向へ導いていく――そのような信念と迫力が伝わってくる取り組みです。「必要なものは自分たちでつくる」という経営哲学が今の業務スーパーを創り、その思いは全く異なる分野であるエネルギー分野に向かい、新たなチャレンジをしています。

 どんなに時代が変わろうとも、普遍的・本質的なことを見失わない。それは、創業者の率先垂範があってこそ成しえる領域なのだと思います。

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る