「ギョーザ値上げ」したのに客数増 「餃子の王将」店舗売上高が過去最高を記録:各種キャンペーンも効いた
「餃子の王将」を展開する王将フードサービスが5月の月次売上高(速報版)を発表した。直営全店売上高、既存店売上高ともに過去最高を記録。5月14日にギョーザなどの主力商品を値上げしたが、客数は減るどころか増加した。
「餃子の王将」を展開する王将フードサービスは6月2日、5月の月次売上高(速報版)を発表した。直営全店売上高は73億8400万円(前年同月比120.3%)、既存店売上高は70億5500万円(同117.6%)で、いずれも創業以来、過去最高の売り上げを記録した。
大幅な増収を達成した要因としては、店内飲食の売り上げが同151.0%とコロナ禍前の水準になったことが挙げられる。テークアウト・デリバリーの売り上げが高い水準を維持したことも貢献した。同社の広報担当者は「まん延防止等重点措置の終了後、店内を利用するお客さまが増え続けている」と説明する。
餃子の王将は、原材料価格の高騰、人件費や物流費の上昇などを受け、5月14日にギョーザやチャーハンなど14品目(グランドメニュー全体の約2割)を20〜30円値上げした。その影響で、同社は客数減を覚悟していたが、5月の客単価は同101.7%、客数も同118.3%という結果に。客数は減るどころか大きく増加した。
コロナ禍でも従業員の研修を継続したことも、QSCレベル(Q=商品:クオリティー、S=接客:サービス、C=清潔・衛生:クリンネス)の向上に役立ったという。例えば、2021年4月〜22年3月、調理技術を学ぶ「王将調理道場」の受講者数は2万5812人で、そのうちのオンライン研修人数は2万5344人だった。研修内容は王将調理道場から、全国の店舗にあるiPadにLIVE配信する仕組みだ。
会計時に提示することで利用代金を割り引く「ぎょうざ倶楽部会員カード」のキャンペーンも好調だった。5月16〜31日にスタンプ2倍押しキャンペーンなどを実施した結果、同カードの5月における出荷数は同110.9%と前年を上回るペースで推移。売り上げ増に寄与した。
その他、新スーパードライ発売記念セールや、メディア露出(5月17日のフジテレビ系列『華大さんと千鳥くん』)なども過去最高売り上げの原動力となった。
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