喫煙所に代わる社内コミュニティ「井戸端会議」の場をどう作るのか?:総務のための「オフィス」再考(1/4 ページ)
どうして喫煙所は繁栄しているのに、休憩コーナーは育たないのか? 総務として理由を考え、たどり着いたのは、2つのシンプルな答えでした。
Wikipediaによると「井戸端会議」(いどばたかいぎ)は、かつて長屋の人たちが共同井戸に集まり、水くみや洗濯などをしながら世間話やうわさ話に興じたさま──といわれています。井戸は長屋の共同設備であり、飲料水はもちろん炊事、洗濯から行水に使う水まで供給されていました。こうして住民同士の会話が促されていたというのです。
現在の会社で、井戸端会議に近いものは何でしょうか。社内カフェや休憩所のほか、喫煙所もその役割を果たしているでしょうか。たまたま喫煙所で出会った他部門の人と、進行中のプロジェクトについて雑談し、「え、そうだったんですか!?」「じゃあ、××さんにも伝えておきます」というように話が進むこともあるでしょう。また、いつも同じ時間帯に喫煙所を訪れる社長と、プライベートな会話をすることもあるかもしれません。
そこにあるのは、喫煙という共通のアクティビティーを通じて得られる安心感です。その成果として、仕事がうまくまわり始める、というのもよくある光景でした。筆者は喫煙はしませんが、以前勤めていた会社では、こうした喫煙所のコミュニティーに対して「うらやましい!」と思ったこともよくありました。一回だけ、無理やりタバコを買って喫煙所へ潜り込んだこともあるほどです(煙に耐えられず退散しましたが……)。
せっかく設けた休憩コーナーは“閑古鳥が泣く”状態。繁栄している喫煙所を横目で見ながら、どのようなオフィスにするか、試行錯誤していたころを思い出します。
どうして喫煙所は繁栄しているのに、休憩コーナーは育たないのか? 理由を考え、たどり着いたのは、2つのシンプルな答えでした。
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