昼前には完売、整理券を配布 崎陽軒と共同開発した「関西シウマイ弁当」が売れている背景:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/4 ページ)
JR姫路駅(兵庫県姫路市)の駅弁「関西シウマイ弁当」が売れている。昼前には完売する店舗もあり、人気が高まっている。崎陽軒の「シウマイ弁当」をどのように関西風に仕上げたのか。
関西風のアレンジ
関西シウマイ弁当は、崎陽軒のシウマイ弁当の見た目はそのままに、昆布や鰹節といった関西のダシ文化と融合させている。もっちりとした豚肉に、シャキシャキとした食感の刻みレンコンを混ぜ込み、ダシと共に風味豊かに蒸し上げた。
関西シウマイの製造は、崎陽軒が担当している。
その他の具材は、まねき食品が製造。「出汁巻玉子」は関西風の仕様で、ダシの香りとうま味を引き出した。関東風の砂糖が入った甘い玉子焼きとの違いが際立つ。
「筍煮」は、シウマイ弁当が立方体に切った「さいの目切り」になっているのに対して、関西シウマイ弁当は角柱型の「拍子木切り」なのが特徴。えきそばのダシで煮ているのも、ポイントだ。
また、「鯖の幽庵焼」は、ほのかに柚子が香る上品な仕上がり。
「あご出汁唐揚げ」は兵庫県龍野のヒガシマル製淡口しょうゆとあごダシで、しっかりと下味を付けた。
「俵飯」には、シウマイ弁当では黒ゴマがかかっているのに対して、関西シウマイ弁当では関西で好まれる白ゴマが振りかけられている。
掛け紙も異なる。シウマイ弁当は黄色をベースに龍がデザインされ、大きな水晶玉には横浜ランドマークタワー、パシフィコ横浜、横浜ベイブリッジなど、横浜の名所のシルエットが描かれている。一方の関西シウマイ弁当では、オレンジをベースに、虎がデザインされ、大きな水晶玉には明石海峡大橋、姫路城、万博記念公園の太陽の塔など、関西の名所のシルエットが描かれている。
このように、関西シウマイ弁当では、崎陽軒のシウマイ弁当を踏襲しつつ、いかに関西らしさを表現するかに工夫を凝らしている。具材や調味料の選定に始まり、盛り付け方、色彩バランスなど幾度も試作を重ねてようやく発売にこぎ着けたという。
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