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1年越しに人気急上昇、コスメ自販機「KATE iCON BOX」 花王も驚愕「予想外です」AIが顔診断(3/3 ページ)

「1年前に出したのに、ここにきての急な人気は予想外です」──と、花王の社員も驚いたのは、化粧品ブランドのKATEが開発した「KATE iCON BOX」だ。KATE iCON BOXは、AIによる顔の印象分析をもとに、一人一人に合わせた4色のアイシャドウを提案し、自動販売機のように商品が出てくる機械。2021年9月に店頭での運用を始め、メーク好きを中心に話題になっていたが、サービス開始1年を目前に人気が急拡大しているという。

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「欲しい!」の気持ちのまま買える

 1年越しに人気が高まっている要因について、若井さんは「一時期よりも外に出る機会が増えたことで、メークに対して前向きな気持ちが戻ってきており、これまで遠のいていた店頭での購入を再開する人も増えたからでは」と分析する。

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アイシャドウパレットは自分でセットする(22年6月、著者撮影)

 ECは確かに便利だが、化粧品に限らず欲しいと思ったものがすぐ手元には届かない。もちろん待つ楽しみもあるが、実際に試してみて「欲しい!」というテンションのまま買えるという店頭ならではの喜びや満足感が、コロナ禍でのECによる購買行動に慣れた人たちに刺さったのではないだろうか。最近では、KATE iCON BOXで買いたいと遠方から訪れた利用者や、もともと興味があったり、たまたま通りかかって興味をもった男性の利用者も増えているという。

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完成したアイシャドウパレット(22年6月、著者撮影)

 現在、KATE iCON BOXは世界に1台だけで、今のところ増産の予定はないという。「これまでは設置場所を弊社で探していましたが、最近では設置場所の打診もいただくようになりました」(若井さん)。しかし、KATE iCON BOXは定期的なメンテナンスが必要である上、照明の明暗によって診断結果が大きく変わってしまったり、診断の質が落ちてしまうなど、設置場所へのハードルも高いのだという。

 「長期的には量産も視野に入れてはいますが、まずは、デジタル世代以外の幅広い年齢層や、それまでメークに興味はあっても買うきっかけがなかった方などが店頭で化粧品を買うきっかけにしていきたいです」(若井さん)

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