1皿110円→115円に値上げしたくら寿司 220円→165円の大幅値下げも断行:価格高騰の影響(1/2 ページ)
大手回転寿司チェーン「くら寿司」は、これまで1皿110円で提供していた商品を115円に値上げする。一方、220円だった商品を165円に大幅値下げする。社長がその理由を語った。
大手回転寿司チェーン「くら寿司」を運営するくら寿司は9月7日、寿司商品の基本価格を改定すると発表した。10月1日から、全国のくら寿司488店舗において、110円の商品は115円に、220円の商品は165円へとそれぞれ変更する(都市型店舗やグローバル旗艦店は除く)。
くら寿司ではこれまで約60商品を110円で提供していたが、「はまち」「サーモン」「えび」など約50商品を115円に値上げする。特に、「オニオンサーモン」「鉄火巻」「えんがわ(かれい)」など6商品は165円と大幅に価格を上げる。これら6商品は、原料価格の高騰が特に著しいという。
主力である110円皿の商品を値上げする理由について、同社は原油価格、運搬費、資材費、人件費などのあらゆるコストが急速に上昇しているためとしている。また、急激な円安の影響で、魚介類の価格が高騰。2020年と比較して、人気魚種である「クロマグロ」が約1.6倍、「サーモン」が約2倍にそれぞれ値上がりしているという。
一方、これまでは18商品を220円で販売していたが、10月1日以降は165円に値下げする。新商品を追加することで、165円の商品は約40にまで増えるという。具体的には「【炙りたて】Wチーズえび」「【作りたて】えびアボカド」などが対象となる。
値下げの対象となる「【炙りたてWチーズえび」「【作りたて】えびアボカド」は、7月8日に全国のくら寿司店舗で発売したばかり。例えば、「【炙りたてWチーズえび」は商品を提供直前にあぶることで、たっぷりのチーズと素材の香ばしいうまみが広がるようにしている。また、「揚げたて」シリーズは、注文を受けてからオートフライヤーで調理し、迅速に提供することで、サクサクとした食感を楽しめるようにしている点が特徴だった。
これらの商品は、外食で「ちょっとぜいたくしたい」というニーズに対応するのが狙いだった。
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