玉川徹氏の電通発言! テレビ朝日の「ガバナンス」は大丈夫なのか:専門家のイロメガネ(2/8 ページ)
テレビ朝日の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』で放送された、玉川徹氏の発言が注目を浴びている。問題は一社員の言動ではなく、同じような発言で訂正・謝罪を繰り返してきたことではないか。許容してきたテレビ朝日の経営陣に責任はないのか……。
玉川徹氏の曖昧な立場
『羽鳥慎一モーニングショー』における玉川氏の立場は、レギュラーコメンテーターと番組のWebサイトで紹介されている。多数のメディアで指摘されている通り、テレビ局の社員でありながらコメンテーターという異例の立場が今回の問題発言の根っこにある。
もちろん、社員がコメンテーターをしていたら悪いわけではない。他局でも解説委員の肩書きで解説をしている社員もいる。NHKでも解説委員は雇用されている職員が担当している。ただ、他局で解説を行う社員はいずれも専門性が強く求められる。NHKに勤務していた池上彰氏は解説委員になりたいと思っていたが、あなたには専門分野がないから無理だと上司に言われてしまったエピソードをインタビューで語っている。
玉川氏にどれくらい専門性があるか筆者は判断はできかねるが、何かしらの分野の専門家として出演しているわけではないことは明白だろう。
玉川氏の曖昧な立場、より正確に言えば「番組の制作陣の一人として取材した事を話す役目を背負っている」のか、それとも「他のコメンテーター同様に第三者の立場から自らの知見をベースに発言をしている」のか、極めて曖昧な立場で話している。
前述の通り曖昧な立場であっても問題はないが、今回の発言が大きな問題となった理由はその曖昧な立場によるものだ。
電通が国葬に関わっているという話は玉川氏が個人的に調べた結果なのか、それとも番組スタッフが取材した話なのか現状では全く分からず、表に出ている話は「玉川氏が勘違いをした」という説明だけだ。結局は「社員だけどコメンテーター」という曖昧な立場が、番組や企業の責任を薄める一方で玉川氏個人の責任が追及される原因となっている。
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