連載
好調の「すし居酒屋」チェーン どんどん増える「や台ずし」「杉玉」は何がすごいのか?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(6/6 ページ)
コロナ禍で居酒屋業態が大苦戦している一方で、すしが主力の「すし居酒屋」は好調だ。どのようなビジネスモデルで、どんな点が支持されているのか。
インバウンド需要でさらに成長か
このように、すし居酒屋はリーズナブルな値段と創作性が特徴だ。江戸時代に風呂屋の帰りにすしを軽くつまんで一杯飲む屋台すしを復興させたような空間と料理のフォルムで、人気になっている。
テクノロジーを前面に出した回転すしとは趣を異にしており、街のすし店がなくなっていく隙間を埋めるような地域密着のスタイルで、飲まない人のランチ需要にも応えている。若者の間では、いわゆるカタカナスシがインスタ映えするメニューで爆発的にヒットしている。
コロナ禍以降、夜の繁華街では人が引ける時間が早くなっていて、飲む人も減っているが、普通の居酒屋とは違ってご飯の需要にも応えられるのが、すし居酒屋の強みだ。
すし居酒屋は、訪日外国人のインバウンド需要にも応えられるポテンシャルも持っている。しばらくは順調な成長が続いていくだろう。
【お詫びと訂正:2023年2月7日午前5時の初出で、「スシエビス」の運営会社を「スパイスワークスホールディングス」としておりましたが、正しくは「シーズン2」でした。2月14日午前5時、該当箇所を修正しました。お詫びして訂正いたします。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - なぜ女子の半分が泳いでないの? ジェンダーレス水着の開発者が語った“忘れられない光景”
フットマークのジェンダーレス水着が話題になっている。性の悩みだけでなく、さまざまな理由で「肌を隠したい」生徒のニーズに対応するのが狙い。開発者にその背景を聞いた。 - トイレ利用後に買い物しない人が約4割!? ローソンがトイレの扉にアートステッカーを貼った背景
全国のローソン店舗のトイレ付近に、アートステッカーを貼る取り組みを始めた。トイレをいつもきれいに使ってくれる人への感謝を示す。背景にあるコンビニトイレの課題とは? - ファミレスは危機に陥っている!? サイゼリヤとガストで明暗が分かれたワケ
ファミレスの2大巨頭「サイゼリヤ」と「すかいらーくHD」。すかいらーくの主力であるガストが、サイゼと比べて業績面で苦戦している。背景には何が? - インパクトのある「ポテトサラダ」が話題 寿司居酒屋「杉玉」が個性的なメニューを投入する理由
スシロー系列の寿司居酒屋「杉玉」が店舗数を増やしている。インパクトのある見た目や、印象的な名前のメニューに特徴がある。開発の狙いなどを聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.