生命保険会社の満足度調査 3位「ソニー生命」、2位「明治安田生命」、1位は?:説明の丁寧さが影響?(2/2 ページ)
J.D.パワー ジャパンは、直近1年以内に保険金・給付金の申請手続きを行った20歳以上の人を対象に満足度調査を実施。1位は「住友生命」だった。
総合満足度は昨年より大きく低下
次いで満足度の推移について調査した。総合満足度は前年調査(22年3月発表)に比べ12ポイント減少し、医療給付金に関する請求で大きく低下していた。
特に、新型コロナウイルス感染時の「みなし入院」に対する入院給付金の支払対象見直し前後(22年9月と10月)については20ポイント以上の低下が見られ、全体の総合満足度を押し下げる要因となった。
ファクター別では「保険金支払」の満足度低下が顕著だった。
説明の有無が総合満足度に影響
給付金決定までの所要期間の説明有無と総合満足度についても調査した。医療給付金の請求チャネルではコールセンター経由での請求が減少し、ホームページ経由での請求が増加。ホームページで全ての手続きが完了した割合は前年比9ポイント増と、手続き面での改善が見られた。
一方、ホームページをはじめとした全てのチャネルを通し、医療給付金の請求を行った人の総合満足度に大幅な低下が見られた。最も低下した評価項目は「保険金支払までの迅速さ」で、「保険金支払までの経過報告の適切さ」が続いた。
保険金支払までの期間長期化は、本調査の結果からも読み取れた。生命保険会社へ請求書類を提出してから入金までの期間について「1カ月超」の割合が前年の1%から10%に増加。支払予定日から遅れたという回答も前年の1%から7%に増加しており、保険金支払の遅延や不確定さが各社の総合満足度の低下につながったことがうかがえた。
他方、給付金決定までの所要期間について説明があった場合は、なかった場合に比べて総合満足度が69ポイント高いことも分かった。
梅澤希一常務執行役員(J.D. パワー グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門)は以下のようにコメントした。
「新型コロナウイルス感染時の『みなし入院』に対する入院給付金の支払対象見直しに伴う駆け込みでの請求が大幅に増加する中、ピーク時における請求手続きの各社の対応力を問われたことが大きなポイントであった」
「給付金決定までの所要期間についてコールセンターや営業担当者から説明があった場合には相対的に満足度が高いことから、厳しい状況にこそ顧客へのていねいな説明が顧客満足度維持の観点からは重要であるといえる」(梅澤氏)
調査は22年11月中旬〜12月上旬、インターネットで実施。調査対象者は、直近1年以内に保険金・給付金の申請手続きを行った20歳以上の人。回答者数は7516人。
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