新人研修、企業の悩みどころは? 「マナー習得」「やりがいの持たせ方」を上回った1位は:600人に聞いた
企業は新入社員研修に、どのような悩みを抱えているのか。通信教育大手のベネッセが、新入社員研修に関わる人材育成担当者約600人にアンケートを実施したところ、「自社への定着・早期離職を防ぐこと」(34.7%)との回答が最も多かった。
仕事に役立つ調査データ:
消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化――このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。
企業は新入社員研修に、どのような悩みを抱えているのか。通信教育大手のベネッセが、新入社員研修に関わる人材育成担当者約600人にアンケートを実施したところ、「自社への定着・早期離職を防ぐこと」(34.7%)との回答が最も多かった。
次いで「業務に必要なスキルや知識・マインドの習得」(33.0%)、「研修で得たことを配属後に生かすこと」(32.5%)――と続いた。キャリアが多様化し、転職が当たり前となる中で、企業の人材育成担当者は、新入社員のエンゲージメント向上のため、どのような教育環境を作るかに苦心している様子がうかがえる結果となった。
また、内定時から研修を実施すると回答した担当者は50.7%に上り、内定辞退や早期離職を防ぐ取り組みを多くの企業が進めていることが分かった。
研修で新入社員に求めることは、「業務に必要なスキルや知識を早期に習得すること」(47.3%)がトップに。以下に「社員としてふさわしいマナーを身に付けること」(46.0%)、「任せられた仕事を着実に進行すること」(40.0%)――と続いた。
生産性を重視した「ジョブ型雇用」採用の流れが生まれる中で、多くの企業が新入社員の即戦力化を目指している様子がうかがえる。
スキル習得を目的とした研修では、70.6%が「セルフマネジメント」「プレゼンテーション」などのビジネススキルの内容を実施していると回答。一方「情報セキュリティ」「DXの基礎」といったIT関連のテーマも51.8%が実施していると回答した。
調査は23年度の新入社員研修に関わる人材育成担当者を対象に、2月17〜20日、インターネットで実施し643人から回答を得た。
関連記事
- 仕事に行きたくない理由 3位「やる気が出ない」、2位「疲れが取れない」、1位は?
人事コンサルティング事業などを手掛けるベクトル(東京都千代田区)は、就労経験がある500人を対象に「仕事に行きたくない理由」についてアンケートを実施した。理由の1位は「職場に苦手な人がいる」だった。 - 辞めた方がいい職場ランキング 3位「休日の条件が悪い」、2位「給与面が悪い」、1位は?
転職サイトメディア「ピコキャリア」を運営するピコラボ(福岡市中央区)は、転職・退職経験のある社会人を対象に「辞めた方がいい職場」に関するアンケート調査を実施した。辞めた方がいい職場を聞き、ランキング化したところ、1位は「人間関係が悪い」(184人)だった。 - 「イケアのサメ」に「ニトリのネコ」家具大手ぬいぐるみ なぜ人気?
「イケアのサメ」に「ニトリのネコ」――。大手家具メーカーの”看板商品”とも言えるぬいぐるみの人気のわけを探る。 - 刺身に電気を流して「アニサキス」撲滅 苦節30年、社長の執念が実った開発秘話
魚介類にひそむ寄生虫「アニサキス」による食中毒被害が増えている。この食中毒を防ぐため、創業以来30年以上に渡り、アニサキスと戦い続けてきた水産加工会社がある。昨年6月、切り身に電気を瞬間的に流してアニサキスを殺虫する画期的な装置を開発した。開発秘話を社長に聞いた。 - 回転寿司の「迷惑行為」なぜ起きる? 専門家が指摘する「機械化の弊害」とは
回転寿司チェーンで、利用客による悪質ないたずらが相次ぎ発覚している。はま寿司では、レーンで運ばれている寿司にわさびをのせる動画がSNSで拡散。くら寿司では、一度取った寿司を再びレーンに戻す行為が発覚した。こうした迷惑行為はなぜ起きるのか。専門家は、回転寿司チェーン各社が進めてきたオペレーションの簡略化に一因があると指摘する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.