ファミマ、店舗スタッフ研修に「VR」活用 60時間の教育コスト削減:外国籍スタッフにも対応
ファミリーマートは、VRプラットフォームを、ストアスタッフ研修プログラムに導入する。3月から、一部を除く全国の加盟店へ順次導入していく。実地研修よりも時間を有効活用でき、教育コスト削減につながるという。
ファミリーマートは、スタッフ研修に「VR」を取り入れたようだ。
同社は3月から、InstaVR(東京都港区)が提供するVRプラットフォーム「InstaVR(インスタブイアール)」を、ストアスタッフ研修プログラムに導入開始した。宮崎県、鹿児島県、沖縄県を除く全国の加盟店へ順次導入していくという。「店舗におけるストアスタッフのスキルアップと教育の効率化を図るため」としている。
InstaVRは店舗オペレーションマニュアルに対応しており、臨場感のある体験学習とコンテンツ受講後の理解度テストにより、短時間で店舗オペレーションが習得できるという。
店舗の混雑時や店長が他の業務を行っている時間でもスタッフが自己学習できるため、時間の有効活用につながる。管理システムで研修プログラムの進捗状況を把握でき、店長から適宜アドバイスを行うことで理解を助けることも期待できる。研修コンテンツは英語、中国語、韓国語、ベトナム語など10カ国語に対応しており、外国籍スタッフの教育にも対応可能。
実証実験で約60時間の教育時間を削減
2020年度入社の新入社員の店舗研修で導入した際、人が教育を行う場合と比較して約3分の1の時間で修得が可能となった。1人あたりの教育時間が、教える側・教わる側双方で、合計約60時間を削減した。21年2月に東京都や埼玉県など一部店舗で実証実験を実施したところ、店舗のスタッフ研修でも同様の効果を確認できたため、全国の加盟店へ導入することになった。
InstaVR利用を希望する加盟店は、レンタルによる月額利用料を支払うことで利用できるようにした。
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