インタビュー
空前の唐揚げブーム、「いつか終わる」と分かっていても企業がこぞって参入したワケ:ブームは下火に?(1/3 ページ)
「唐揚げ専門店」ブームはコロナ禍で加速した。ブームの背景と、相次ぐ閉店の理由をさぐる。一過性のブームと分かっていたとしても、企業が続々と参入したワケとは。
コロナ禍で、唐揚げ専門店の出店ブームは一気に加速した。
一般投票でおいしい唐揚げ屋を決める「からあげグランプリ」を毎年開催している日本唐揚協会によると、全国の唐揚げ専門店の店舗数は2020年は2445店舗、21年には3123店舗(約27%増)、22年には4379店舗(約40%増)と急拡大した。
唐揚げブームが起きた大きな要因は新型コロナウイルスの感染拡大だ。時短営業要請によりディナー時間帯の売り上げが減少した時、テークアウトのニーズを捉えようと外食チェーンや個人店が続々と参入していった。
すかいらーくホールディングスは「から好し」というブランドで78店(22年3月末時点)を展開しているほか、同社のファミリーレストラン「ガスト」でもから好しの唐揚げメニューを扱っている。モンテローザでは20年4月に「からあげの鉄人」を開始し、同社の居酒屋「魚民」との併設を進め、21年3月には259店舗を突破した。このように外食チェーン大手では、既存店舗にから揚げ専門店ブランドを併設し、コロナ禍のニーズを捉えようとする動きも見られた。
唐揚げ専門店が急速に増えた背景
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