「年収の壁なければ、勤務時間を増やしたい」パート女性の7割 懸念は“働き損”:103万円の壁
覆面調査モニターサイト「ミステリーショッピングリサーチ」を運営するMS&Consulting(東京都中央区)は、配偶者がいるパート女性1267人を対象に「年収の壁や就業意向に関する調査」を実施した。
覆面調査モニターサイト「ミステリーショッピングリサーチ」を運営するMS&Consulting(東京都中央区)は、配偶者がいるパート女性1267人を対象に「年収の壁や就業意向に関する調査」を実施した。
就業調整をしていると回答した人に、「社会保障制度や税制などの改革が行われ一定の年収額を超えても手取り収入が減らなくなった場合、現在よりも勤務時間を増やし、年収を増やしたいか」尋ねたところ、最も多かったのは「とてもそう思う」(50.9%)だった。
次いで「まあそう思う」(24.1%)、「あまりそう思わない」(22.2%)となった。7割以上の人が、働き損にならなければ今の勤務時間より多く働くことを望んでいることが分かった。
上記の質問で「とてもそう思う」「まあそう思う」と回答した人に、「月間の平均で何時間勤務時間を増やしたいか」と尋ねた。その結果、平均は43.9時間、中央値は30.0時間となり、増やしたい月額給与額は平均4万2188円、中央値2万8830円となった(2022年に改定された最低賃金時間額の全国加重平均額961円で換算)。
年収の壁については、「時給が上がっているのに年収の壁が上がらないのはおかしい。同じ時間数働けなくて、保育園に入るための時間数確保や、職場のシフトを埋めるのに困る」(30代)、「夫の職場の家族手当が103万まで支給。130万までに変更になれば130万まで働きたい」(40代)といった声が上がった。
働き損が解消された場合、今回の結果が雇用企業側の人材不足解消にどのように貢献するのか。「働き損が発生しない場合の希望月間勤務時間」が、回答者の「現在の月間平均勤務時間」の何倍になるのかを試算すると、中央値は1.43倍となった。
22年度の労働力調査によると、配偶者のいるパート女性の就労人数は886万人と推定できる。「1人が1.43倍働くこと」と「就労人数が1.43倍増えること」は同等の労働力を得られると考えると、年収の壁を解消することは有配偶パート女性380万人分もの労働力確保につながる可能性があると、同社は分析している。
調査は、ミステリーショッピングリサーチ会員の有配偶パート女性1267人を対象に、インターネットで実施した。期間は3月29日〜4月10日。
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