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ビッグモーター不正 日本で「法律よりも重んじられているモノ」の正体:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/3 ページ)
ビッグモーターの不正は、なぜ起きたのか? 報告書を読み解くと、不正が行われるまでどのような力学が働いていたのかが見えてきます。同社の中で、法律や顧客への道理よりも重んじられていたモノとはいったい何なのか──?
またもや、不正発覚です。
中古車販売会社の「ビッグモーター」の保険金の不正請求問題で、会社が損保側に示した調査委員会の報告書には、数々の目を疑うようなえげつない行為が記されていました。
ゴルフボールを靴下に入れて振り回し、傷の範囲を拡大させたって?
どんな仕事にも大切にすべき有形無形の“道具”があり、自動車販売会社のそれは“車”です。その車販売会社に勤める人たちが、車を傷つけ保険金を不正請求するだなんて、自分たちの仕事を冒とくしたようなもの。
会社トップの兼重宏行社長は、経営について「お客さんの目線で行う」と語っていたそうですが、お客様目線の先にあるのは“車”ではなかったのでしょうか。
経営陣も、従業員も、どんな“道具”を大切にしているのでしょうか? 考えれば考えるほど、情けなくなります。
報告書から見えてきた病理 「日本的マゾヒズム」とは?
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