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基本的には、受け手自身が聞こうと思えば聞くけれど、聞きたくなければやめてしまう。
ほとんどの伝えるコミュニケーションは、受け手がある程度の時間や労力、注意力などを割いて、読んだり、聞いたりしてくれなければ、「納得」はおろか、「理解」にもたどり着くことができません。
にもかかわらず、伝え手にできるのは、表現するところ(第1の橋)まで。受け手の関与(第2の橋)を確実なものにすることができないのです。
いわば、伝えるコミュニケーションの主導権は、伝え手ではなく受け手にあるということ。
ここに伝えることの難しさ、伝えるコミュニケーションの構造的な課題があります。
【まとめ】
「コミュニケーションの橋」は、実は2つある。
この記事は、『「伝え方――伝えたいことを、伝えてはいけない。』(松永光弘/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
松永光弘(まつなが・みつひろ) 編集家
1971年、大阪生まれ。これまで20年あまりにわたって、コミュニケーションやクリエイティブに関する書籍を企画・編集。クリエイティブディレクターの水野学氏や杉山恒太郎氏、伊藤直樹氏、放送作家の小山薫堂氏、コピーライターの眞木準氏、谷山雅計氏など、日本を代表するクリエイターたちの思想やものの考え方を世に伝えてきた。自著に『「アタマのやわらかさ」の原理。クリエイティブな人たちは実は編集している』(インプレス、編著に『ささるアイディア。なぜ彼らは「新しい答え」を思いつけるのか』(誠文堂新光社)がある。
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