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ビッグモーターの“叱責LINE”に驚愕 なぜ社長の息子は「恐怖政治」にハマったのかスピン経済の歩き方(1/7 ページ)

ビッグモーター騒動が収まらない。兼重宏一前副社長の「恐怖政治」に注目が集まっているが、なぜ“叱責LINE”などを行っていたのか。

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 「嘘で誤魔化す、ルール守らない、数字でない」「教育教育死刑死刑」――。

 そんな“叱責LINE”を部下に送っていた、ビッグモーターの兼重宏一前副社長の「恐怖政治」に注目が集まっている。

 ご存じのように、宏一副社長は、同社の絶対権力者である兼重宏行前社長の息子なので、社内では誰も逆らうことができない。そこに加えて、5〜6年前からは常務、本部長と3人で現場に過剰なプレッシャーをかけて、「ロイヤルファミリー」などと呼ばれて恐れられていた。


ビッグモーターがまだ揺れている(出典:ビッグモーターのWebサイト)

 例えば、LINEへの返事が遅いだけで「降格」をちらつかせた。また、気に入らない社員とか、意見する社員とか、数字をあげない店長などもすぐに降格や異動を言い渡し、時にクビを宣告することもあったという。

 そんなどこかの国の独裁者を彷彿(ほうふつ)させる恐怖政治が、今回、問題になっている保険金不正請求を引き起こしたのではないか、という見立ても少なくない。降格やクビの恐怖で、ノルマを達成するためならば何をしてもいい、というモラルハザードが起きたワケだ。


(出典:ビッグモーターのWebサイト)

 また、最近ワイドショーがお祭り騒ぎで報じている、「店の前の街路樹が枯れている問題」もロイヤルファミリーがかかわっていた。店の前の雑草1本までチェックする「環境点検」なるものを実施して、叱責や降格を恐れた店長や従業員が「違法行為」に手を染めてしまった、という内部の証言が報じられている。

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