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ビッグモーターの“叱責LINE”に驚愕 なぜ社長の息子は「恐怖政治」にハマったのか:スピン経済の歩き方(5/7 ページ)
ビッグモーター騒動が収まらない。兼重宏一前副社長の「恐怖政治」に注目が集まっているが、なぜ“叱責LINE”などを行っていたのか。
だから「恐怖政治」にのめり込んだ
では、ロイヤルファミリーはなんのプレッシャーもなかったのかというと、そんなことはない。この世界の絶対権力者である当時の宏行社長から認められなくてはいけないという重圧があったはずだ。特に宏一前副長は、やることなすこと「偉大な父」と常に比較されるプレッシャーや、「無能な後継者」とバカにされたくないという不安があったはずだ。
だから、宏一前副社長は「恐怖政治」にのめり込んだ。先ほど述べたように、人口減少社会で、偉大な父と同じ方法論をして同じ結果を出すことは不可能だ。
そうなると、できることは、後継者としての「覚悟」を示すしかない。自分は「強いリーダー」として、6000人の従業員をひとつにまとめさせることができる。逆らう者は力でねじ伏せて、厳しい目標を達成させられるように尻を叩くこともできる。そういう姿を父にアピールして認めてもらうのだ。
「なぜそんな根性論に?」と首を傾げるだろうが、それが日本の経営者の特徴なのだ。
世界では経営とは「科学」であり、論理的思考の産物だ。先ほど申し上げたように、消費者が減っていくなど「数字」を客観的に分析をして、その課題を経営によって乗り越えていくものだ。
しかし、日本の場合、企業経営は「精神論」に傾倒しがちだ。特に同族経営というウェットな人間関係だとそれが最も重要視される。
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