映画『スーパーマリオ』興行収入、ゲーム原作で歴代1位 IP関連収入が約3倍に:任天堂決算
映画『スーパーマリオ』の世界興行収入がゲーム原作の作品として歴代1位になったと発表。作品の世界的ヒットで、IP(知的財産)関連収入が前年同期比190%増の318億円を記録。今後の作品展開にも意欲を示した。
任天堂は8月3日、映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(スーパーマリオ)の世界興行収入がゲーム原作の作品として歴代1位になったと発表した。7月末時点で累計13億4900万ドルに達した。2023年4〜6月期決算では、作品の世界的ヒットでIP(知的財産)関連収入が前年同期比190%増となった。
ゲーム原作映画として歴代1位の興行収入 本業にも波及
劇場版スーパーマリオは、4月に国内外で上映を開始。発表によると、全世界で累計1億6810万人が鑑賞した。同社は「ゲーム専用機ビジネスを主に展開する日本、北米、欧州、豪州にとどまらず、南米やアジアでも幅広い年齢層が視聴した」としている。
興行収入も好調だ。7月末時点で累計13億4900万ドルに達し、ゲーム原作の映画として歴代1位、アニメーション映画としても歴代2位を記録。23年4〜6月期決算では、同作の映像コンテンツ収入を計上したことで、IP関連収入が318億円(前年同期比190.1%増)に達した。
任天堂は「『スーパーマリオ』への関心の高まりで、マリオ関連タイトルの販売本数が伸び、アプリや関連グッズの販売など、幅広い分野でポジティブな効果が生まれた」とし「グローバルで『スーパーマリオ』というIPに愛着を持っていただく基盤づくりが進んだ」と振り返る。結果的に映画の好調が本業のゲーム事業にも波及したようだ。
今後に向けては「ゲーム専用機以外でも、任天堂IPに触れていただく機会を創出し、事業全体の活性化につなげる。今後も映像関連の取り組みに注力する」と意欲を示している。
同社の2023年4〜6月期決算は、売上高が4613億円(前年同期比50.0%増)、営業利益が1854億円(同82.4%増)。純利益は1810億円(同52.1%増)で同四半期では過去最高を更新した。映画のヒットに加え、5月に発売した「ゼルダの伝説」新作が寄与した。
関連記事
- 映画『スーパーマリオ』の大ヒットが予感させるゲーム映画の黄金時代
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の大ヒットが続いている。この作品は単なるヒット映画の一つとしてではなく、ゲーム映画の黄金時代の扉を開いた映画として歴史に名を残す可能性が高い。 - 「ファミリーベーシック」って知ってる? ファミコン関連機器と『カービィ』『スマブラ』の関係
40周年を迎えた家庭用ゲーム機「ファミコン」は関連商品の豊富さでも知られる。その代表格がプログラミング可能な機器「ファミリーベーシック」。当時としては異色の商品で、後の人気ゲームの“生みの親”という輝かしい功績を持つ。 - 実写版『ワンピース』は、漫画の実写化における「ドラゴンボールの悪夢」を振り払うことができるか
実写版『ONE PIECE』のティーザー映像が公開され、世界中で大きな注目を集めている。これまで失敗が散見された漫画の実写化での悪夢を払拭できるか。 - 異次元ヒットで世界14位 YOASOBIの「アイドル」は日本の音楽業界の新しい扉を開くか
アニメ『推しの子』の主題歌に起用された、YOASOBIの新曲『アイドル』が、異次元のスタートダッシュに成功している。ビルボードジャパンの総合ランキングで初登場で総合首位、2週目も2位に2倍以上の大差で2週連続総合首位となった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.