同じ中華チェーンでも結構違う! 「餃子の王将」と「大阪王将」のビジネスモデルを分析してみた:両王将を比較(1/4 ページ)
かつて餃子の王将から生まれた大阪王将。似ているように見えるが、意外と双方の違いは多い。一方、最近では大阪王将で“先祖返り”につながりそうな動きも出てきているようで。
「餃子の王将」と「大阪王将」といえば、ライバル同士にあるという認識が一般的だろう。餃子の王将からのれん分けする形で大阪王将が生まれたのだが、実際に両者は過去に商標権をめぐり裁判で争ってきた経緯がある。そして餃子を看板メニューとして麺類・飯物の中華料理を提供するなど、商品構成でも似ている点が多い。しかし、収益構造を見ると相違点は多く、あくまでビジネスモデルは異なるようだ。本記事では「王将」の名を冠する双方の運営方針と、意外にも多い経営面での違いについてまとめた。
師弟からライバル関係へ 過去には店名を巡る裁判も
餃子の王将は1967年に「王将1号店」として創業した。当初は京都を中心に個人店として店舗を展開していたが、74年に18店舗を基に王将チェーンとして法人化。現在の王将フードサービスへと商号を変更するのは90年である。関西では、大阪王将に対して餃子の王将を「京都王将」と呼ぶこともある。
一方の大阪王将は、餃子の王将で修業した創業者が69年にのれん分けで出店した店をルーツとする。法人化は77年。当初は「餃子の王将」として店舗を展開していた。しかし、王将チェーンが展開する餃子の王将とライバル関係になり、商標権の裁判を経て85年に「大阪王将」へと店舗名を変更。その後、2002年にイートアンドへと商号変更し、20年には持ち株会社体制へと移行したことで、イートアンドホールディングスとなった。
店舗数は2倍以上の開き
23年7月時点における国内ラーメンチェーンの店舗数ランキングは次の通りである。
日高屋は東京近辺、幸楽苑は東北・北関東に集中している一方、王将は両者とも全国的に展開し地方でも知名度は高い。そのため、餃子の王将はかなりの店舗数を誇っている一方で、大阪王将は2倍以上の差を付けられている。
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