サイバーエージェント、生成AIで業務6割削減へ 賞金1000万円の社内コンペも
サイバーエージェントは、全社員が生成AIを活用できる環境を整備し、現在の業務を2026年までに6割削減すると発表した。
5月に独自の日本語大規模言語モデル「OpenCALM」(オープンカーム)を開発、一般公開したサイバーエージェント(東京都渋谷区)は、全社員が生成AIを活用できる環境を整備し、現在の業務を2026年までに6割削減すると発表した。社内では生成AIの活用アイデアを募る賞金1000万円の社内コンペも実施。どんなアイデアが選出されたのか。
「AIオペレーション室」を新設
同社は10月に生成AI活用推進組織「AIオペレーション室」を新設した。ビジネス職を含む全社員の生成AIに関するリテラシー向上に向けた取り組みを強化し、生成AIを業務で活用するための環境整備を推進するという。
このほか、広告オペレーションにおける作業時間の短縮を目的とした「ChatGPTオペレーション変革室」、アニメーション業界やゲーム業界における生成AI研究開発組織「アニメーションAI Lab」「ゲームAI Lab」も同月に新設した。
社内コンペでグランプリに選ばれたのは?
生成AIの活用アイデアを募る社内コンペ「賞金総額1000万円!生成AI徹底活用コンテスト」を全従業員を応募対象に実施。業務効率化やコスト削減、既存サービスの改善や新規事業案など約2200件のアイデアが集まった。
グランプリには、強化学習を用いたスケジュール調整により、月間6万時間の時間削減を見込む「AIを活用したスケジュール自動調整ツール」、準グランプリには、顧客やユーザーの発言を加味して、人間同様に質問や共感が可能な「顧客・ユーザーインタビューの価値・最大化を実現する、AIインタビューツール」が選ばれたという。
同社は「生成AIの徹底活用に努めることで新たな価値創出を目指す」としている。
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