職場のハラスメント、Z世代の8割が「通報」、ミレニアル世代は4割 なぜ差?
デロイト トーマツグループ(東京都千代田区)は、同社がグローバルで行うZ世代・ミレニアル世代を対象とした年次調査「Z・ミレニアル世代年次調査2023」における、日本の結果を発表した。
日本や企業の将来を担うZ世代(1995〜2004年生まれ)、ミレニアル世代(1983〜94年生まれ)の社会観・就業観にギャップが生じている。
監査・コンサルティング企業の「デロイト トーマツグループ」(東京都千代田区)は、グローバルで行う年次調査「Z・ミレニアル世代年次調査2023」において、日本の結果を発表した。日本のZ世代の約8割が、職場でハラスメント被害を受けた際「職場に通報」していることが分かった。
これはグローバルのZ・ミレニアル世代(グローバルZ世代・78.0%、ミレニアル世代・80.0%)と同水準になる。しかし、日本のミレニアル世代に絞って見ると、職場にハラスメント被害を通報している人は44.0%にとどまることが分かった。
日本のZ世代とミレニアル世代の間には、なぜこのようなギャップがあるのだろうか。
なぜ? Z世代・ミレニアル世代の行動の違い
企業における働き方の柔軟性に関する設問では、日本の両世代とも6割以上が「出社を強制された場合に転職を検討する」(グローバルZ世代・77.0%、ミレニアル世代・75.0%、日本Z世代・70.0%、ミレニアル世代・62.0%)と答えた。
2年以内の離職意向については、グローバルではZ世代が45.0%、ミレニアル世代が27.0%と、22年のコロナ禍での調査時(Z世代・40.0%、ミレニアル世代・24.0%)よりも上昇した。
日本においてもZ世代は22年と同率にあたる40.0%であった一方、ミレニアル世代は13.0%と、22年の14.0%から下降する結果となった。日本ではミレニアル世代と比較した際、Z世代の方が離職意向が高いことがうかがえる。
日本のZ世代・ミレニアル世代間において、求める働き方には共通する傾向が見られたものの、改善に向けては対照的な行動を取っていることが分かった。
Z世代は「積極的なハラスメントの通報」や「転職」などを行い、より良いメンタルヘルス、ワークライフバランスのために行動している。一方ミレニアル世代は、ハラスメント被害を職場に通報せず、2年以内の離職意向も低い水準で推移していることから、不満を我慢しながら企業にとどまっていることが推測される。
同社は日本特有の世代間ギャップについて「人事施策上のリスクや留意点がZ世代・ミレニアル世代においてそれぞれ異なる可能性を示唆しており、企業はそのことを認識して対応する必要がある」とコメントしている。
調査は、インターネットで22年11月〜23年3月に行った。調査対象は全世界のZ・ミレニアル世代2万2856人で、うち日本は801人。
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